焚き火を楽しんだあと、夜寝る前の片付けが面倒だからといって、放置したまま就寝するのはNG行為です。
焚き火の不始末が原因でボヤ騒ぎだけでなく、最悪の場合だと山火事が起きる可能性もあります。
そこで本記事では、以下について解説します。
- 焚き火を放置することの危険性
- 寝る前におこなう焚き火の始末の段取り
焚き火の危険性を十分に理解することで防災意識が高まり、安全なキャンプを楽しめるので、ぜひ最後までご覧ください。
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焚き火は寝る前に必ず完全消化させること
安全のためにも、寝る前には必ず焚き火を完全に消火させましょう。
なぜなら、焚き火を消火することで、防災になるからです。
毎年、焚き火の不始末が原因となり、枯れ葉やテントに引火してしまうなどのボヤ騒ぎが起きています。SNSなどのインターネット上でも、キャンプ場の管理人が注意喚起しているほど、焚き火の消し忘れは深刻な問題です。
また、焚き火の不始末などが原因のボヤ騒ぎが頻発していることから、焚き火自体を禁止するキャンプ場も出てきています。
焚き火を取り扱う際は、焚き火の取り扱い方を学んだうえで火災予防に努めなければいけません。
寝る前に焚き火をつけたままにするリスク
焚き火の始末が面倒だからといって放置するのはとても危険です。
ここでは、万が一焚き火をつけたまま寝てしまったときのリスクについて解説します。
リスク1 燃えている薪や火の粉が落ちて引火する
薪は炭になるともろくなるので、薪自体の重さで真っ二つに折れることがあります。
そのとき落ちた薪に気づかずに放置すると、火災になってしまいます。
例えば、火のついた薪の破片が枯れ葉の上に落ちて、引火してしまうのはよくあるケースです。
たとえ下の写真のような熾火(おきび)の状態であっても、放置しないでください。
熾火とは、薪が炭化し赤く燃えている状態のことです。炎があがっていないからといって放置するのは非常に危険です。
熾火の状態でも薪に水分が含まれていると、パチッと火の粉が飛ぶことがあります。
火の粉も同様に、枯葉や落ち葉に飛んで引火する恐れがあります。
起きている間であれば消化できますが、寝ていると対処できないため、燃え広がってしまう可能性があります。
とくに、林間サイトで焚き火キャンプをする際には、十分注意しなければいけません
リスク2 煙による一酸化炭素中毒
焚き火の煙には、一酸化炭素が含まれています。これは煙が少ない熾火の状態や、不完全燃焼を起こした場合でも同じです。
この一酸化炭素は無色・無臭のため、発生しても気付きにくいです。
一酸化炭素が体内に入ると酸素不足の状態となり、頭痛や吐き気、耳鳴りなどの中毒症状を引き起こします。最悪のケースだと死につながることもあります。
焚き火をつけたまま寝ると、一酸化炭素中毒の危険性があり、命に関わることがあるということもしっかり理解しておきましょう。
リスク3 テントやタープに火の粉が飛んで穴があく
焚き火をしていると、薪の中の水分が原因で火の粉が飛ぶことがあります。
火の粉は意図しない方向に飛んでいくため、どこに飛散するか予測できません。
テントやタープに火の粉が飛んでしまうと熱で穴が空く可能性があり、「起きたときには穴だらけになっていた……」となることもあります。
寝る前に焚き火を消す2つの方法
焚き火を完全燃焼させる時間がない場合は、これから紹介する2つの消化法を試してみてください。
なお、ここで紹介する「火消し壺」がなくても、「ペール缶」などの熱に強い容器で代用可能です。
それでは、詳しく解説します。
消火法1 火消し壺を使って完全消化させる
薪が完全燃焼するまで待てない場合は、火消し壺を使って完全消化させるとスムーズです。
火消し壺は酸素を奪って窒息消火させるキャンプギアで、水を使わずに火の始末ができるので、安全性が高いといった特徴があります。
使い方はシンプルで「薪を入れてフタをするだけ」でOKです。
火消し壺に薪を入れる際は、やけど防止のためにも、必ず火ばさみを使ってください。
火ばさみで薪をひとつずつつかんで入れるのが面倒だからと考えて、火ばさみを使わずに耐熱グローブで焚き火台を持って、火消し壺に移動させることはしないでください。
火がついた状態の薪や焚き火台は、耐熱グローブでは耐えられない熱さになっています。
その状態で触ってしまうと、耐熱グローブであってもやけどをしてしまいます。
消火法2 水を使って完全消化させる
火消し壺がない場合は、水を使って完全消化させることもできます。
ペール缶やバケツに水を張って、ひとつずつ火ばさみを使って消火しましょう。
このときの注意点として、焚き火台に水をかける行為は避けてください。
なぜなら、高温の水蒸気が発生して火傷したり、急激な温度変化で焚き火台が変形したりする可能性があるからです。
たとえ面倒に感じても、火ばさみを使ってひとつずつ移動させましょう。
寝る前の焚き火の始末に火消し壺を使う3つのメリット
火消し壺は、キャンプの必需品といっても過言ではありません。
防災意識が強いキャンパーは必ずといっていいほど持参しています。
ここでは、そんな火消し壺のメリットを3つ紹介します。
メリット1 密閉容器なので安心安全
火消し壺は、密閉して酸素を奪い、窒息消火によって鎮火させる方法です。
前述したとおり、火ばさみで火消し壺に薪を入れてフタをするだけなので、誰でもかんたんにおこなえます。
フタをするので、火の粉が飛んでテントやタープに穴が開いたり、落ち葉の上に落ちて火災になったりする心配もありません。
また、煙が充満することもないため、非常に安全性が高いです。
メリット2 再び火を起こせる
火消し壺を使う消化方法は水を使わないので、炭自体は再利用可能な「消し炭」となります。
消し炭は、着火しやすいので、火おこしが楽になるというメリットがあります。
翌朝、火消し壺に残った薪で火を起こし、あたたかいコーヒーを飲みたいときにもとても便利です。
また、新しい薪を用意せずに済むので、薪代の節約にもつながります。
メリット3 後片付けがスムーズで時短になる
焚き火台の上に炭を放置したままだと、風が吹いたときに灰が飛び散ってしまいます。その点、火消し壺のフタをしておけば灰が飛び散ることもありません。
細かな灰がキャンプギアについてしまい、真っ黒に汚れる心配もなくなります。
また、キャンプ場で灰を捨てる場合は、基本的にキャンプ場に設置されている灰捨て場まで運ばなければいけません。
このときも、火消し壺に入れて運べば、灰が飛び散るのを防ぎ、キャンプ場や周りのキャンパーに迷惑をかけずに済みます。
寝る時間に合わせて逆算する!焚き火の始末の5つの段取り
真っ暗闇となって視界が制限されてから焚き火の後片付けをするのでは遅すぎます。
周囲には早めに就寝しているキャンパーもいるため、静かに焚き火を片付けるためにも、段取りをつけることが重要です。
これから5つの段取りを写真付きで紹介します。
段取り1 就寝時間を逆算して薪の追加をやめる
まずは、就寝時間を逆算して、就寝の1時間前くらいから薪をくべないようにしましょう。
例えば、消灯時間が22時なら、21時くらいから薪を追加しないようにします。
なお、市販されている薪が炭化するまでにかかる目安時間は、およそ1時間です。
もし時間通りに薪が燃えるか不安があるなら、小さめの薪を選んだり、半分にカットしたりして調整するとよいです。
段取り2 調理器具(クッキングギア)をしまう
暗くなる前に、クッキングギアをしまうのは最優先事項です。
なぜなら、カトラリー類は細々したものが多く、暗くなってから片付け始めると紛失する可能性が高いからです。
そして残念ながら、高価なクッキングギアは夜間に盗難被害に遭うことも予想されます。
しまい忘れていたお気に入りのクッキングギアが盗まれる可能性もあるため、早めの段階で収納しておきましょう。
段取り3 焚き火台の周りを整理する
あたりが真っ暗になる前に、焚き火台のまわりに引火するものがない状態にするのがベストです。
そうすることで、より安全に焚き火を片付けられます。
以下のものは、片付けておきましょう。
- 紙類
- ガス缶
- 未使用の薪
- 焚きつけ用の枝
また焚き火の始末をする際に、灰や火の粉が飛ぶことがあるので、コットン・ナイロン素材のキャンプギアを置かないことも大切です。
そうすれば、火の粉や熱で穴が空いたり、灰で汚してしまったりすることを防げます。
段取り4 火消し壺・火ばさみ・グローブを準備する
次は、焚き火の始末に必要な、火消し壺・火ばさみ・グローブを焚き火台の近くに置いておきましょう。
基本的には、この3つの消火アイテムがあれば、ほかに何もいりません。
ここまで段取りが整えば、いつでも焚き火の始末を開始できる状態です。
段取り5 就寝時間になったら火消し壺に薪を入れフタをする
焚き火を片付けたいタイミングになったら、熾火に近い状態になっている薪を火消し壺に移動させましょう。
火ばさみを使って、火消し壺に薪をひとつずつ入れていきます。
全部移し終えたらフタをして、数十分放置すればOKです。
薪を入れた直後は、火消し壺が高温になっているため火傷に注意してください。
焚き火の片付け以外にすべき3つのこと
就寝前に焚き火の片付けをするときには、一緒にしておくべき作業があります。快適なキャンプをするために覚えておきましょう。
その1 食材系はすべて片付ける
キャンプ場で食べ物を放置しておくと、カラス・いのしし・野良猫・野犬・鹿・熊などの野生動物が近づいてくることがあります。
そのため、食材はフタを閉めて密閉できるクーラーボックスに戻しておきましょう。
とくに、ブッシュクラフトなど野営に近い環境でキャンプをするなら忘れてはいけない作業です。
車を使用したオートキャンプの場合は、食材を入れたクーラーボックスを、車の中に入れておいたりテントの中に移動させたりするなど、動物たちの手が届かない場所に移動させるのも一手です。
その2 不要なゴミはゴミ捨て場に持っていく
キャンプで出た生ゴミや、ジュースやお酒などが入っていた缶やビンなどのゴミをそのままにしておくと、野生動物のほかにアリやハエなどの小さな虫も集まってきます。
とくに、夏場はゴミを放置していると、翌朝、たくさんの虫が集まるので注意してください。
「缶やビンなどは水できれいに洗う」「キャンプ場にゴミ捨て場があるなら早めに処理しておく」などしておきましょう。
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便利なクイックアクセス機能がついているので、上部からゴミをサッと捨てることも可能です。
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その3 残った薪を濡れない場所に保管する
夏キャンプや高地キャンプは天候が不安定なので、夜間に雨が降ることも珍しくありません。
未使用の薪が雨で濡れてしまうと、次の日に使いたくても、湿気で火がつきにくかったり煙が多く出たりします。
そのため、未使用の薪はタープ内に保管するようにしてください。
消灯時間を過ぎても焚き火をしたいならコンパクトな焚き火台を使おう
消灯時間を過ぎてから大人数で焚き火を囲む行為は迷惑行為にあたります。
もし消灯時間後も、焚き火の炎を見つめながら静かにお酒を飲みたいなら、ソロ用の焚き火台などコンパクトなギアを使って楽しみましょう。
小さめの焚き火台だと炎の明るさも控えめになるため、消灯時間を過ぎても他のキャンパーの迷惑になりにくいです。
また、フリーサイトであれば、あらかじめテントが密集していない区画に設営することで、夜遅くでも周囲を気にせず焚き火を楽しめますよ。
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焚き火台の底面はフラットになっているので、40cm程度の大きな薪でも切らずにそのまま使用できます。
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寝る前の焚き火の始末はキャンプのマナー
寝る前には、炎が上がっていない状態だとしても、焚き火を片付ける必要があります。今回紹介した段取りを参考にして、計画的に焚き火を片付けられるようにしましょう。
キャンプを楽しむ一人ひとりの防災意識が高ければ、周囲のキャンパーも安心して夜を過ごせます。焚き火はキャンプの醍醐味の1つですが、安全に十分配慮することを忘れないようにしてください。
下の記事では、キャンプ終了時の焚き火の後始末について、画像付きで解説しています。キャンパーなら覚えておきたい灰捨て場のルールについても触れているので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
>>【画像付き】焚き火の後始末の手順をわかりやすく解説!役立つ5つのアイテムも紹介