キャンプの醍醐味といえば焚き火です。
暖をとるだけでなく、焚き火で料理をしたい場合には、「熾火(おきび)」の活用がおすすめです。
そこで今回は、熾火に関する以下をお伝えします。
熾火の作り方を覚えておくと、さまざまなキャンプシーンで役立つことでしょう。
ぜひ本記事を参考にして、熾火作りにチャレンジしてください。
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調理を楽しめる専用ゴトクも標準装備としてついてきます。
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熾火(おきび)とは?
熾火とは、薪が燃焼して炭化し、赤く燃えている状態のことです。
焚き付け直後の薪は、大きな炎を上げながら燃えますが、やがて炭化して熾火になると炎が収まり、じわじわと燃え続けるようになります。
このような状態になれば火力が安定して調理しやすくなるので、飯盒(はんごう)やメスティンでご飯を炊いたり、ダッチオーブンで蒸し焼きをしたり、鉄板プレートでステーキを焼いたりするときに活用します。
また、さつまいもなどの食材をアルミホイルで巻いて、熾火で蒸し焼きにすれば焼き芋が作れるなど、クッキングギアを使わずに調理も可能です。
下の記事では、焚き火台を使って焼き芋を作る手順を、画像付きで紹介しています。
焼き芋作りにチャレンジしてみたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>焚き火で焼き芋作り!ねっとり甘くなる作り方やコツ、注意点を紹介
熾火の作り方3つの手順
適した素材と焚き火台があれば、これから紹介する3つの手順通りにするだけで、誰でも熾火を作れます。
失敗しないポイントは「待つこと」です。それでは、詳しく解説します。
手順1 薪を組む
まずは焚き火台の上に薪を組みます。
このとき、薪を無造作に配置せずにしっかりと組んでから着火しましょう。
代表的な薪の組み方には、次の3つが挙げられます。
- 井桁型
- 並列型
- ティピー型
井桁型 | |
並列型 | |
ティピー型 |
以下のように状況に応じて選ぶとよいです。
- 大量の熾火を作るなら井桁型
- 調理をしながら熾火を作るなら並列型
- 小さな焚き火台で熾火を作るならティピー型
井桁型・並列型・ティピー型のどの組み方でも熾火は作れますが、初心者キャンパーには、かんたんに組める「井桁型」がおすすめです。
もしダッチオーブンなどを使用するために熾火がたくさん必要なら、薪を組む段階で多めに準備しておきましょう。
薪の組み方の詳細については、下の記事をご覧ください。必要な薪の量の目安についても解説しています。
>>焚き火の薪の組み方4選|木の種類や必要量の目安、注意点も紹介
薪をきちんと組まずに焚き付けをすると、一本ずつしか燃えないため、熾火作りに時間がかかります。
薪全体に炎が連鎖して燃えていくように、しっかり薪を組んでいきましょう。
手順2 焚き付け後1〜2時間放置する
焚き付け後は、組んだ薪が崩れるまで放置するのがポイントです。
薪の太さによって異なりますが、およそ1〜2時間くらい放置するとよいでしょう。
このとき、途中で薪の配置を変えたりすると失敗するので注意してください。
薪は炭化すると、徐々に細くなるので見た目も変化します。
組んだ薪が自然に崩れ始めたら、熾火になってきた合図です。手順3に進みましょう!
手順3 組んだ薪が崩れたら火ばさみで積みなおす
組んだ薪が崩れ始めたら、焚き火台の真ん中に積み上げていきます。
このときのイメージとしては、残った太い薪の上に、小さな薪を立てかけていく感じです。炎は真上にあがるので、積み上げることによって燃焼が持続します。
火吹き棒やうちわで風を送ったときに、薪の中心部が赤くなっていれば熾火状態です。
調理をする場合は、この段階で熾火を広げて、火力を調節しましょう。
熾火を作りやすい焚き火台の3つの特徴
ここからは熾火を作りやすい焚き火台の特徴を紹介します。
特徴1 下から空気が入る構造になっている
焚き火台の下から自然に空気が入る構造の焚き火台だと、熾火を作りやすいです。
その理由は、下から空気が入ることで「煙突効果」を期待でき、燃焼効率が高くなるからです。
暖められた空気が上昇気流を生み出すメカニズムのことです。
風が吹いていなくても、自然の力で空気の流れを作れるメリットがあります。
このため、以下のような特徴の焚き火台を選ぶのがおすすめです。
- 空気の通る隙間がある
- 地面と焚き火台のあいだに空間がある
例えば、火床のプレートに穴が空いていたり金属メッシュを使っていたりすると、下から空気が送り込まれるため、燃焼効率がアップします。
下からの空気だけでなく、横からも空気が取り込める構造をしている焚き火台を選ぶと、さらに燃焼効率が上がります。
特徴2 薪をそのまま組めるサイズ感
市販されている薪の長さはおよそ30〜40cmです。
このため、市販の薪をそのまま組める、直径40cmほどの大きめサイズの焚き火台が理想です。
焚き火台のサイズが小さすぎると、市販の薪をそのまま配置できないケースが多々あります。
焚き火の前に薪割りをすれば問題は解決するものの、工程がひとつ増えて手間がかかります。
薪の取り扱いに慣れていない初心者キャンパーは、直径20cm以下のコンパクトサイズの焚き火台よりも、大きめの焚き火台を選びましょう。
さらに囲いフレームが付いている焚き火台を選ぶと、焚き付けの際に強風が吹き込んできても、火が消えにくいといったメリットがあります。
フレームがない場合は、周りを囲う風防や陣幕を設置することでも、強風対策ができます。
アウトドアブランドのWAQでは、「WAQ 焚き火陣幕 TC」を販売中です。
風よけになるだけでなく、周囲からの視線を遮りプライベート空間を確保する際にも役立ちます。
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特徴3 土台がすり鉢状になっている
焚き火の土台がすり鉢状になっているのも、熾火を作りやすいポイントです。
熾火になると、薪の芯の部分まで炭化するので、薪自体の強度が弱くなります。
脆くなった薪は、火ばさみで触っただけで折れてしまうため、薪の組み直しが難しくなります。
そのようなとき、土台がすり鉢状になっている焚き火台だと、火ばさみを使わなくても自然と中心部に薪が集まってくるため、脆くなった薪の組み直しがかんたんです。
また、焚き火を鎮火してから火消し壺に移動するときも薪を集めやすいので、スムーズに作業できます。
参考:調理をするなら、五徳フレーム付の焚き火台がおすすめ
五徳フレーム付きの焚き火台があれば、料理の幅が広がります。
熾火の上に直接クッキングギアを置くと、熾火が潰れて火が消えてしまいますが、五徳フレームがあれば、熾火が潰れることはありません。
また、五徳フレームの高さを調節できる焚き火台なら、火力を調節することもできます。
焚き火台に五徳フレームが付いていない場合は、焚き火台のサイズに合わせて、金属プレートや網プレートを別で準備するのもよいでしょう。
五徳フレームを活用して、ダッチオーブンを使ったりホイル焼きをしたりして、熾火料理を楽しみましょう。
五徳フレームつきの「WAQ 焚き火台-YAGURA-」
WAQでは、アイアン素材で使い勝手のよい「焚き火台-YAGURA-」を販売しています。
この商品の大きな特徴は、6枚のパネル方式で組み立てられることです。
サイドパネルに設けられた隙間から空気が取り込まれるので、高い燃焼効率を発揮します。
40cmほどの市販の薪をそのままおけるサイズ感なので、薪の取り扱いに慣れていない初心者の方にもおすすめです。
調理に便利なゴトクも標準装備のため、買い足す必要もありません。
「WAQ 焚き火台-YAGURA-」は、ソロキャンプからグループキャンプまで楽しめる、マルチな焚き火台が欲しいキャンパーにピッタリの商品です。
ぜひこの機会に、公式サイトからチェックしてみてください。
熾火作りに適さない素材
覚えておきたい点として、小枝や落ち葉など、小さなサイズの自然の素材では、熾火は作れません。
その理由は、熾火になる前に燃え尽きてしまうことにあります。
つまり、たとえ自然素材の木片であっても、ある程度の質量が求められるという訳です。
また、市販の着火燃料・紙・段ボールなどの、焚き付けに使う素材も熾火になりません。
熾火を作るときの3つの注意点
ここからは、熾火作りの注意点を3つ紹介します。
熾火はじっくり時間をかけて作るものです。
焦って風を送ったり、薪を追加しすぎたりすると失敗するので、これから紹介する注意点をしっかり頭に入れておきましょう。
注意点1 熾火になった薪を触りすぎない
熾火になった薪は脆くなっているので、弱い力でかんたんに崩れて落ちてしまいます。
砕けてしまうと短時間で消火してしまうので、触りすぎないようにすることが大切です。
火力調整などで、熾火状態になった薪を火ばさみで持つ際は、炭化しにくい薪の先端部分を持つと折れにくいです。
なお、薪を再度組み直すときは、焚き火台の中心部に積み上げていくと、薪を移動させる手間が省略できます。
注意点2 熾火になった薪を広げすぎない
調理をするときは、火力を調整するために熾火を広げますが、それ以外の理由で熾火を広げることは極力避けましょう。
なぜなら、熾火を広げると、酸素の接地面が増えて燃焼が早くなるからです。
少ない量の熾火を広範囲に広げると消えてしまうので注意してください。
注意点3 広葉樹も使って焚き火をする
薪は、広葉樹・針葉樹の2種類に分けられます。
油分が多くて燃えやすい針葉樹の薪は、焚き付けから一気に火力をつけるときに役立ちます。
一方で、密度が高く持続的に燃える広葉樹の薪は、長時間じっくり燃え続けるため調理する際に最適です。
焚き付け後、すぐに炭化し痩せ細ってしまう針葉樹に対し、密度のある広葉樹は炭化しても強度を保ちます。
そのため、薪を組み直すときには広葉樹が1本でも残っていると役立ちます。
針葉樹だけで焚き火をしても問題ありませんが、調理をするなら広葉樹の熾火があると、薪の消耗を減らせます。
およそ7:3くらいの割合で、少しだけ広葉樹を混ぜておくのがおすすめです。
広葉樹と針葉樹、それぞれの薪の種類については、下の記事で解説しています。薪の入手方法や安く手に入れる方法もお伝えしているので、ぜひこちらも参考にしてください。
>>焚き火の薪はどこで買う?安い調達方法と使い方、種類や量【徹底解説】
ポイントをおさえて熾火作りをマスターしよう!
本記事で紹介した3つの手順で、熾火作りにチャレンジしてみてください。
また、熾火を作る際は、燃焼効率が高く、市販されている薪がそのまま入るサイズの焚き火台を選びましょう。とくに初心者キャンパーの場合は、扱いやすい大きめの焚き火台から始めることをおすすめします。
熾火が作れるようになると、調理のバリエーションも増えていきます。
キャンプスタイルに合わせた、こだわりの焚き火台を見つけてキャンプを楽しみましょう。