春〜夏にかけての過ごしやすい季節では、虫対策が欠かせません。
キャンプでは焚き火を楽しむ方も多いですが、「焚き火に虫よけ効果ってあるのかな?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
焚き火に虫よけ効果があるのは事実です。
ただし、残念ながら強力な虫よけ効果は期待できないため、別の虫よけ対策が必須です。
そこで本記事では、以下について解説します。
- 焚き火に虫よけ効果を期待できない理由
- 焚き火をしながら手軽にできる虫よけ対策
虫を寄せ付けたくない方、虫に刺されたくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
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焚き火に虫よけ効果を期待できない理由
焚き火に虫よけ効果はありますが、焚き火をしていれば絶対に虫が寄ってこないというわけではありません。
とくに蚊やアブなどの虫が多い夏キャンプは、はっきりいって焚き火の煙だけで虫よけするのは難しいです。
ここでは、焚き火に虫よけ効果を期待できない3つの理由を解説します。
理由1 焚き火から数歩離れると虫が寄ってくる
「焚き火の近くにいたのに蚊に刺されてしまった」という経験はないでしょうか。
その理由は、焚き火の近くは高温で酸素濃度が薄くなっているため虫が寄って来ませんが、焚き火から2〜3歩離れると酸素量が増えて虫避け効果がなくなるからです。
そのため、虫よけ対策をしたいなら、焚き火の煙以外に何かしらの工夫が必要であるという訳です。
理由2 焚き火の灯りが原因で虫が寄ってくる
「飛んで火にいる夏の虫」という言葉がありますが、それはつまり、焚き火の灯りを好む虫がいるということです。
そのため、焚き火の灯りに向かってくる虫の対策もしなければいけません。
蛾やユスリカは光に集まる走光性という習性を持っているため、焚き火に向かって飛んできます。
ユスリカとは目の前を飛ぶ小さな虫のことです。蛾やユスリカ自体に攻撃性はありませんが、虫が苦手な人にとっては避けたい不快害虫です。
このような灯りに寄ってくる不快害虫に対しては、以下の方法で対策できます。
- 焚き火台をコンパクトなものにして照度を落とす
- 陣幕で焚き火を覆って、広範囲に光が漏れないようにしたりする
アウトドアブランドのWAQでは、陣幕を販売しています。
陣幕があれば、虫除け対策もできるほか、周囲からの視線を遮ったり風よけになったりと、キャンプをさらに快適に過ごすことができます。
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理由3 他の要因で虫が寄ってくる
焚き火をしていても、他の要因で虫が近づいてくることがあります。
例えば、香水を全身にふりかけていると、その甘い香りに誘われて大量の虫が寄ってきます。
焚き火の煙が広がるのと同じように、香水の香りも風に乗って広範囲に行き渡り、虫を引き寄せるという訳です。整髪剤や柔軟剤の香りも同様です。
とくに、多くの虫はフローラル系の甘い香りを好むとされています。
その反対に、ハーブ系や柑橘系の香りを嫌うため、虫対策をしたいならこれらの香りがするものを選ぶとよいでしょう。
焚き火をするときの服装で虫よけ効果を狙う
キャンプでの虫よけ対策は、なるべく肌を出さないことが鉄則です。服装で肌の露出を押さえることは即効性のある虫よけ対策です。
夏キャンプだからといって、半袖・半ズボン・サンダルといった格好でキャンプをすると、虫に刺される可能性が上がります。
例えば、帽子を被る・首にタオルを巻く・レギンスを履いくなどすることで、虫をガードできます。どうしても刺されたくない部分は隠すのが一番です。
しかし、夏場は全身を覆ってしまうと熱中症の危険性があるので、暑さ対策も一緒にするように注意してください。
暑さ対策については以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
虫よけ効果のあるキャンプ服がある
最近では、防虫素材で加工された防虫ウェアや、虫よけ機能を持ったタオルが販売されています。夏場になると、虫よけ機能付きのアイテムが人気を集めるのでチェックしてみましょう。
例えば、Foxfire(フォックスファイヤー)というメーカーは、アース製薬株式会社と帝人フロンティアが共同開発した、防虫加工された繊維「スコーロン素材」の防虫ウェアをリリースしています。
このような、防虫効果のある服を取り入れるのも、ひとつの方法です。
焚き火の近くに置く虫よけアイテム4選
焚き火の近くに置くことで、虫よけを期待できるアイテムがあります。
ここでは、代表的な4つのアイテムを紹介します。それぞれ特徴やメリットがあるため、上手に使い分けましょう。
アイテム1 アロマキャンドル
アロマキャンドルを使えば「香り」で虫を追い払う忌避効果を期待できます。ただし、冒頭で説明したように、虫を引き寄せる香りもあれば、虫を遠ざける香りもあります。
虫よけ効果のある香りのアロマキャンドルを焚き火の近くに配置すると、手軽に虫よけ対策ができます。
虫よけ効果が期待できるアロマキャンドルの代表的な香りは、次の4種類です。
- シトロネラ
- レモングラス
- ペパーミント
- シダーウッド・アトラス
これらのアロマオイルをすでに持っている場合は、ロウソクを溶かしたところにアロマオイルを混ぜ合わせると、虫除け効果のあるアロマキャンドルを自作できます。
犬や猫などのペットがいる場合は、アロマオイルを使用すると中毒症状を起こす可能性があります。使用を避けるなど十分注意してください。
アイテム2 蚊取り線香
夏キャンプの定番アイテムである蚊取り線香を、焚き火の近くに置いておくと虫よけ効果を発揮します。
例えば、キャンプサイトに草が生えている場合は、葉っぱの下に蚊が隠れているため、足元に蚊取り線香を配置するのがベストです。
ちなみに、蚊取り線香の「ピレスロイド」という成分は、人間や動物の体で分解できるので、安全性が高い優秀なアイテムです。
パワー森林香
パワー森林香は、ブッシュクラフトをするキャンパーが、必ず持ち歩くといっても過言ではないアイテムです。
蚊取り線香に似た形状をしていますが、蚊取り線香とは効果が異なる別物です。
このパワー森林香には、「メトフルトリン」という成分が含まれていて、アブ・ユリスカ・チョウバエなどに効果が発揮されます。
この成分は、人や犬などペットの体内に入ると、すぐに分解されて悪影響を及ぼすことはないとされているため、ペットとキャンプをするときも使えます。
ただし、パワー森林香は、一般家庭で使う蚊取り線香とは比べ物にならないほどの煙が出ます。
小さい子どもやペットがいる場合は、配置場所や風向きに十分配慮した上で使用してください。
アイテム3 空間スプレー
ここまでで紹介した蚊取り線香やパワー森林香は、独特な臭いの煙が発生するため、苦手と感じる人もいます。
また、風のない日に煙が充満すると、呼吸が苦しくなったりむせ返ったりすることもあります。
そのようなトラブルを解決するのが、空間スプレーです。
空間スプレーとは、空気中にスプレーするだけで防虫対策ができる優秀な虫よけアイテムです。キャンパーの間でも話題になるほど人気が高まっています。
火を使わないため安全性が高く、ペットが近くにいてもヤケドをするなどの心配をせずに済みます。
これを書いている筆者も、実際に林間サイトや海キャンプで空間スプレーを使用してみましたが、効果は抜群でした。
とはいえ、空間スプレーにも、良いところと気になるところがありました。次の章では、これについて詳しく紹介します。
空間スプレーの良いところ・気になるところ
まずは林間サイトで、焚き火台を配置したタープ下でワンプッシュ、テントの中でワンプッシュしてみたところ、驚くことに翌日まで蚊が近づいてくることはありませんでした。
使用時は、ごく少量のスプレーが噴射されるだけなので、キャンプギアがスプレー液でベトベトになることもありません。
さらに、海キャンプで使用した際も効果が発揮されました。
しかし、海キャンプの場合は、虫よけの効果時間は林間サイトよりも短く感じました。
もしかすると、浜辺の強風が原因で、空間スプレーの効果が薄れてしまったのかもしれません。とはいえ、それでも4〜5時間は虫よけ効果を感じたので、十分すぎる性能です。
効果的な使い方としては、テントのレイアウトを終えてから空間スプレーを噴射すれば、長時間効果が得やすいように感じました。
このように、森の中でも、浜辺でも、キャンプサイトを選ばず使える空間スプレーは魅力的な虫よけアイテムです。
アイテム4 ハッカ油
ハッカ油とは「ハッカソウ」から抽出した植物油のことで、英語の「ミント」と同じ意味です。
ミントの香りはブヨに対して効果が期待できます。
また、市販されているハッカ油を希釈すれば、かんたんに虫よけスプレーを自作することもできます。
ハッカ油を使用するときの注意点
ハッカ油は基本的に人体への影響がないとされているので、小さな子どもに使用しても問題ありません。
しかし、犬や猫などの動物の場合は、ハッカの精油を体内で分解しきれないことがあります。
とくに、猫はハッカ油などの精油を分解できないため、中毒症状を起こす危険性があります。
そのため、ペットと一緒にキャンプをする場合は、ハッカ油の使用を避けてください。
焚き火と一緒に「ヨモギの葉」を燃やすのもおすすめ
焚き火の中に、虫よけ効果のあるヨモギを一緒に入れて燃やすのもおすすめです。なぜなら、ヨモギに含まれる「シネオール」という成分に虫よけ効果があるからです。
ただし、キャンプ場に生えているヨモギを摘む場合は、以下のことに注意してください。
- キャンプ場が植物採取を禁止してないか確認する
- 他の有毒植物と間違えないようにする
キャンプ場の中には、自生している植物の採取をNGとしているところもあるので、必ずキャンプ場の取り決めを確認してください。
また、ヨモギはトリカブトなどの有毒植物と見間違いやすい植物です。
ヨモギの特徴は以下のとおりです。
- 葉の裏面や茎に産毛がある
- 日当たりのいい場所に群生して生える傾向がある
- 爽やかな特有の香りがする
一方、トリカブトには、以下の特徴があります。
- 葉の裏面に産毛がなく、ツルツルしている
- 秋に、紫色や白色の花を咲かせる
- ジメジメした木陰などに生える傾向がある
- 香りがない
トリカブトの中毒症状には、唇や手足の痺れ・嘔吐・腹痛・下痢などが挙げられます。
参考元:自然毒のリスクプロファイル:高等植物:トリカブト(厚生労働省)
ヨモギとトリカブトはどちらも日本全土に生えています。
ヨモギの葉を使用する際は、特徴を見極めてほかの植物と見間違わないように注意してください。
焚き火中に虫よけアイテムを使用するときの注意点
焚き火の近くで虫よけアイテムを使用する際は、注意が必要なこともあります。
事故防止のため、引火性のあるものは焚き火から遠ざけましょう。
虫よけスプレーの引火・爆発
ガス容器の虫よけスプレーを使用する際は、焚き火の近くで使用しないよう注意してください。その理由は、引火や爆発の危険が伴うからです。
ガス容器タイプの虫よけスプレーには、LPG(液化石油ガス)が含まれているので、焚き火の近くで噴射すると引火します。
また、焚き火の熱によってスプレー缶が暴発する危険があるので、火の近くにスプレー缶を置くことも避けましょう。使用する際は、焚き火から離れた場所で体に噴射するようにするとよいでしょう。
ちなみに、ハッカ油も引火性があるため、取り扱いには注意してください。
虫が少ないサイトを選んで焚き火をするのもあり
虫がどうしても苦手なら、キャンプサイト選びの段階で限定する方法もあります。つまり、なるべく虫が少ない環境を選ぶということです。
自然が少ないキャンプ場は虫も少ない
もし虫が苦手なら、設備が充実したキャンプサイト、もしくはグランピングのようなリゾートに近いキャンプスタイルのサイトを選ぶとよいでしょう。
なぜなら、自然が少ないということは、虫が生息できる環境も少ないことになるからです。
以下のような特徴のキャンプ場は、虫が少ない傾向があります。
- ウッドチップを敷いて水たまりができないように工夫している
- 至る所に虫よけのライトが設置されている
- ゴミ捨て場が倉庫内にある
ただし、設備が整っている分、サイト料金が少し割高に設定されているのがデメリットなので、予算に見合うキャンプ場を検討してください。
キャンプは焚き火+αで虫よけ対策をしよう
焚き火の煙に虫よけ効果を期待し過ぎることがないようにしましょう。とくに虫の発生が増える夏キャンプは、焚き火+αの対策が必須になります。さまざまな虫よけアイテムがリリースされているので、こまめにチェックしてみましょう。
虫よけアイテムと併用して焚き火をすれば虫よけ効果を狙えます。本記事で紹介した虫よけテクニックを参考に夏キャンプを楽しんでください。