ドームテントを使用する際は、雨や日差しを防げるリビングスペースとして「タープ」の併用がおすすめです。
しかしドームテントとタープを何も考えずレイアウトすると、使い勝手や見栄えが悪くなる場合も……。
そこで今回は「ドームテント」と、携帯性や開放感が魅力の「オープンタープ」の組み合わせ方法を6パターン紹介します。
テントとタープは「どうしたいのか」などの意図を持って配置することで、おしゃれで快適なテントサイトを作ることできますよ。
「ドームテントとオープンタープで快適空間を作りたい!」「もっとおしゃれな連結方法を知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてください。
WAQでは、ソロ〜ファミリーまで幅広くお使いいただけるドームテントやタープを販売しています。
初心者の方でも扱いやすい設計で、設営・撤収もかんたんです。ご興味のある方は、この機会にWAQ公式ストアで詳細をご覧ください。
テント・タープのレイアウトは快適キャンプの重要ポイント!
テントとタープは、区画の広さや形状・天候・周辺の状況などに合わせてレイアウトすることで、以下のようなメリットが生まれます。
- メリット1 雨でも快適にキャンプができる
- メリット2 スムーズな動線を作れる
- メリット3 景色をより楽しめる
- メリット4 周囲の視線を遮ることができる
一つずつ解説します。
メリット1 雨でも快適にキャンプできる
テントとタープを隙間なく連結すると、雨天時にテントとタープを行き来するとき濡れずにすみます。また寝るときにテント入口で靴を脱いでも、タープがあるので雨や露で濡れる心配がありません。
タープの下にテントを張る「過保護張り」では、長時間の強雨によるテント内への浸水を防ぎます。
さらに過保護張りは、室内と外気の温度差によって生じるテント内の結露を軽減します。
メリット2 スムーズな動線を作れる
テントとタープのレイアウトを工夫することで、行き来するときにポールやロープが邪魔にならないスムーズな動線を作れます。
スムーズな動線はストレスを感じず移動できるだけでなく、ポールにぶつかったり、ロープに足を引っかけたりする心配がなく安全性も向上させます。
メリット3 景色をより楽しめる
テントとタープを「縦方向」に配置すると、高さのあるメインポールが正面にきます。視界が開けて、タープからはもちろんテント内からも景色を楽しめます。
メリット4 周囲の視線を遮ることができる
テント・タープを「横方向」に配置すると、タープによって周囲の視線を遮ることができます。
キャンプ場が非常に混みあう、ゴールデンウイークやお盆などのハイシーズン。お隣さんが近すぎたり、通行人が多かったりして、周囲の視線が気になることが多々あります。
タープによって周囲の視線が遮られれば、プライベート空間が確保され、落ち着いてキャンプを楽しめるでしょう。
今回組み合わせるWAQのドームテントとタープ
今回の連結アレンジに使用するのは、WAQのドームテント「WAQ Paramount Dome」とオープンタープ「WAQ HEXATARP TC」です。
「WAQ Paramount Dome」は、さまざまなバリエーションで使える中型ドームテントです。
最大幅4mと居住性の高いドーム型シェルターで、ソロでもファミリーでもシーズンを問わずにお使いいただけます。
「WAQ HEXATARP TC」は、シンプルで使いやすいヘキサタープです。火の粉があたっても穴が空きにくいTC素材を採用。
テントとの組み合わせのときに活用できるハンガーテープ(延長ベルト)も付属しており、サイト内での居住性を高められます。今回のアレンジでは、大型ドームテントに合わせてLサイズを使用しました。
商品詳細については、記事の後半でくわしくご紹介しています。ドームテントやタープの購入を検討している方はぜひご覧ください。
ドームテントとタープの連結アレンジ
ここからは、ドームテントとオープンタープ(ヘキサタープ)のアレンジ方法を紹介します。
横張り |
初心者でもかんたん 狭い区画でも張れる |
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垂直張り |
目隠しできる プライベート空間を確保できる 狭い空間でも張れる |
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過保護張り |
雨などからテントを守れる 結露を防げる |
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縦張り |
快適な動線を確保できる 視界が開けてテント内から景色を楽しめる |
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小川張り |
見た目がかっこよく眺望もよい リビングスペースを広く確保できる |
なお、今回のアレンジでは、タープのメインポール2本を結ぶ線を「縦方向」と表現します。
迷わずに張れる「横張り」
初心者でもかんたんにできるのが、タープと横並びにドームテントを連結する「横張り」です。
タープのサイド側はメインポール付近に比べ、ポールやロープが混み合っていないため、初心者でも悩まずにテントとタープを連結できます。
横張りは、テントとタープを縦に配置するよりも奥行が短くなります。そのため狭めの区画にも張ることができます。
テントと連結するサイド側にサブポールを2本立てると、タープ位置が高くなり、テントと干渉せずにきれいに張ることが可能です。
反対側のサイドはロープで下げると、タープ内部が外から見えにくくなり、ちょうどよい目隠しとなります。プライベートを確保でき、落ち着いてキャンプが楽しめます。
開放感を重視する場合は、テントと反対側のサイドにもポールを追加して、タープ位置を高くするとよいでしょう。
プライベート空間を作れる「垂直張り」
「横張り」に少しアレンジを加えたのが「垂直張り」です。
テントと連結していないほうのタープのサイドを地面に直接ペグダウンして、垂直の壁状にします。
壁が完全に目隠しになるため、しっかりとプライベート空間を確保できます。混雑していてお隣さんが近すぎたり、トイレや炊事場近くで人目が多かったりしても、落ち着いてキャンプが楽しめるでしょう。
また垂直張りは、横張りよりさらにスペースが必要ないので、かなり狭い区画でも連結可能です。
ただしリビングスペースはかなり狭くなってしまうので、少人数キャンプ向きのアレンジといえます。
雨や結露からテントを守る「過保護張り」
ドームテントを、タープですっぽり覆ってしまうのが「過保護張り」です。
長時間強い雨が降り続くと、テント内まで水が浸みこんでしまうことがあります。過保護張りをすれば、タープが雨を防ぐので、テントへの浸水を防ぐことが可能です。
またテントは室内と外気の気温差が大きいと、テントの内側に結露が発生します。
テントをタープで覆うことで、室内と外気の気温差が小さくなり、結露しにくくなります。
さらに過保護張りは、雨天時に設営・撤収する際に濡れずに作業できる点もメリットです。当然タープの設営・撤収では濡れますが、その他テントなどの設営・撤収は慌てずのんびりおこなえます。
ただし、今回試した中型サイズのドームテントでは、リビングスペースはほとんど確保できませんでした。ドームテントが中型・大型サイズの場合は、天候に対応するためのアレンジといえます。少人数用の小型ドームテントなら、リビングスペースも確保できるでしょう。
開放感があり省スペースで張れるメインポール1本での「縦張り」
省スペースで、テントサイトからの眺めを堪能したい方におすすめなのが、メインポールを1本だけ使う「縦張り」です。
通常、ドームテントとタープを縦に配置すると、片側のメインポールがテント入口をふさぎ、動線が悪くなってしまいます。
この方法ではメインポールを1本だけ使い、タープの片側はテントに被せた状態にします。テント入口前にポールがないので、快適な動線の確保が可能です。
さらに左右対称にサブポールをサイドに配置して、両サイドの高さを上げました。テントとタープが干渉する面積が減り、閉塞感が解消されます。
手順がやや複雑なので、かんたんに連結方法を説明します。
- ドームテント・タープ・ポール・ロープを地面に置いて、配置を決める。
- テント側にくるタープ端にメインポール用ロープを結んでおく。
- 先にドームテントを組み立てておく。テントはペグダウンせず、移動できるようにしておく。
- テントと反対側にくるタープのメインポールを立てる。
- 立てたメインポールの反対側のタープの下に、ドームテントを潜り込ませ、ちょうどよい場所に置く。
- 2で結んだロープをテントの上に通し、テントの後ろ側まで引っ張りペグダウンする。
- 必要な場合は、タープのサイドに左右1本ずつサブポールを立てる。
- テントやタープの残りのロープをペグダウンする。
ドームテントとタープを縦に連結すると、高さのあるメインポールが正面にきます。視界が開けるので、テント内からも景色を楽しめるでしょう。
海岸や湖、山のふもとなど絶景キャンプ場でおすすめの張り方です。
ただしタープを直接テントの上に被せてしまうので、生地が摩擦で傷みやすい点はデメリットになります。
またタープ下のスペースにテントがかなり入り込むので、リビングスペースが狭くなってしまう点も注意しましょう。
しかし、省スペースでも張れる点ではメリットです。混雑したフリーサイトや、狭い区画などで使えるアレンジですよ。
キャンパー憧れの「小川張り」
キャンパー憧れのテントとタープの組み合わせ方法が「小川張り」です。老舗テントメーカー「OGAWA」が推奨したアレンジ方法で「延長ベルト」を使って、テントの後ろ側にタープのメインポールを持ってきます。
小川張りは見た目のカッコ良さはもちろん、眺望の良さなど、さまざまなメリットがある張り方です。
一見、連結は難しく見えますが、オープンタープを設営できる方であれば、多少時間はかかっても問題なく設営できるでしょう。
小川張りの手順をかんたんに説明します。
- テント側にくるタープ端に、延長テープを接続しておく。
- テント・タープ・ポール・ロープを地面に置き、配置を決める。延長テープの反対端には、メインポールとロープをセットしておく。
- タープのメインポールを2本同時に、もしくは1本ずつ立てる。
- ドームテントを組み立てて、ちょうどよい場所に置く。
- 必要な場合は、タープのサイドに左右1本ずつサブポールを立てる。
- タープ・テントの残りのロープをペグダウンする。
小川張りも正面に一番高いメインポールがくるので、視界が開けます。絶景を心ゆくまで堪能できるでしょう。
小川張りでは、テントの後ろ側にメインポールを持ってくるので「延長ベルト」が必要になります。なかには、延長専用のベルトを販売しているアウトドアブランドもあります。またロープなどで代用も可能です。
今回使用したWAQのオープンタープ「WAQ HEXATARP TC」には、延長ベルトとして使える「ハンガーテープ」が付属しています。ワンタッチで接続できるアタッチメントも付いており、非常にスムーズに作業できました。
小川張りではテントとタープが干渉しないので、摩擦で生地が傷む心配がありません。
テントにタープを被せる張り方と違い、タープの高さを高く保てるので開放感を味わえます。またタープ下にテントがそこまで入り込まないので、広いリビングスペースを確保できます。
反面、連結には広いスペースが必要になります。広い区画や、自由にスペースを使えるフリーサイトで可能なアレンジ方法です。
ただし2本のメインポールの距離がかなり離れるため、通常の張り方よりも安定性には欠けます。強風時などは、避けたほうがよいでしょう。
番外編:メインポール脇での連結
ドームテントとタープの連結方法には、メインポール脇にドームテントを配置する方法もあります。
今回はドームテントのサイズが大きかったため、メインポール用のロープが邪魔になってしまいうまく連結できませんでした。小さめのドームテントであれば、ロープがそれほど邪魔にならないので設営可能です。
区画の広さや形によっては、この張り方がフィットすることもあるので、覚えておくとよいでしょう。
テントとタープはどちらを先に立てる?
テントとタープを連結する際に、どちらを先に設営するか迷う方は多いのではないでしょうか。
結論からいえば「移動が面倒なほう」から設営するのがおすすめです。移動が大変なほうから設営して、それに合わせて移動が楽なほうを設営します。
今回のようにドームテントとヘキサタープの場合は、移動させるのが面倒な「タープ」から立てるとよいでしょう。ドームテントは自立式なので移動がかんたんです。タープに合わせての微調整が楽におこなえます。
もし連結がうまくいかない場合は、サッと動かせるドームテントで調整するのがポイントです。
タープを先に立てておけば、途中で雨が降ってきたときや、日差しが厳しく休憩を取りたいときに、タープ下に避難できます。
ただし非自立式のテントである「ワンポールテント」や「カマボコ型テント」を先に立ててしまうと、タープよりも移動が面倒になります。先に「テント」を立ててしまったほうが、微調整がしやすいでしょう。
ドームテントとタープを組み合わせるときの注意点
ドームテントとタープを上手に連結するには、以下の5つのポイントを押さえましょう。
- ポイント1 テントやタープなどを仮置きして位置を確認する
- ポイント2 ポール・ロープが行き来の邪魔にならないようにする
- ポイント3 風の強さや方向を確認する
- ポイント4 生地同士の摩擦に注意する
- ポイント5 雨水が溜まらないか確認する
ポイント1 テントやタープなどを仮置きして位置を確認する
テントとタープを連結する際は、いきなり設営を始めず、まずは直置きしてレイアウトを確認するのが大切です。
とくに区画の狭いサイトや、混雑したフリーサイトでは、位置の目星をつけてから立て始めないと、スペース内にうまく張れない場合も出てきます。
またロープを張るスペースも必要です。ロープも地面に置いて、張れるスペースが充分あるか確認しておきましょう。
ポイント2 ポール・ロープが行き来の邪魔にならないようにする
テントとタープを連結する際は、ポールやロープが行き来の邪魔にならないようにしましょう。
ポールやロープをいちいち避けて通るのは、ちょっとしたストレスです。
また夜中は暗くて見えづらいため、テント入口にポールがあると頭をぶつけてしまう危険性や、ロープに脚を引っかけてしまい転倒する恐れもあります。
とくに、小さい子どもとのファミリーキャンプでは連結の際に注意が必要です。
ポイント3 風の強さや方向を確認する
「オープンタープ」はテントやスクリーンタープに比べて風に弱く、強風でポールごと飛ばされる危険性があります。とくに大型サイズのタープは風に煽られやすいので、設営の際に注意が必要です。
風が強い日はタープを低めに張ったり、風を逃しやすい方向にレイアウトしたり、対策を講じましょう。あまりにも風が強い場合は、タープ設営を諦めるという決断も重要です。
ポイント4 生地同士の摩擦に注意する
組み合わせ方によっては、テントとタープが干渉する場合があります。生地同士が触れていると、風の強い日などは擦れて傷んでしまう恐れがあります。
キャンプする頻度が高い場合は、毎回タープを同じ向きで使うのではなく、次回は逆向きにするなど工夫が必要です。
雨水が溜まらないか確認
テントとタープの連結部分は、張り方によっては雨水が溜まりやすくなります。同じ場所に水が溜まり続けると、テント内に浸水してしまう恐れがあります。
ロープのテンションや位置を調整することで水が流れるようにして、テントに水が溜まらないようにしましょう。
ドームテント「WAQ Paramount Dome」
従来なら専ら就寝スペースとしての使用が多かったドームテントですが、大型化によって使い方のバリエーションがぐっと広がっています。
WAQの「WAQ Paramount Dome」も、多彩なバリエーションで使える中型ドームテントです。
取り外し可能なグランドシート付きで、大人数の就寝スペースやお座敷スタイルのリビングとしても使えます。
またグランドシートを外せば、フロアレスでテーブル・チェアのレイアウトも可能。コット寝スタイルの寝室にもなります。
入口は3つあるうえに、その他にベンチレーションなど開口部も多く、風通しをしっかり確保。夏でも涼しく快適に過ごせます。
また天井には、薪ストーブが使える煙突穴付き。テント裾には冷気を防ぐスカート付きです。暑さや寒さ対策がされており、一年中快適なキャンプを楽しめます。
骨組にはメインフレーム3本と外周フレーム3本を使い、しっかり室内の居住空間を確保しています。一見複雑なデザインですが、慣れてしまえば1人でも設営可能です。
ソロキャンプからファミリー・グループキャンプまで、さまざまなキャンプスタイルが楽しめるでしょう。
こちらのドームテントをさらに使いやすくしたい方におすすめなのが「WAQ Paramount Dome専用オプション ベスティブル」です。
「ベスティブル」とは拡張式の前室のことです。
大人数でのキャンプは、荷物置き場がいくらあっても足りません。ベスティブルを荷物置き場にすれば、パラマウントドーム内をスッキリ片付いた状態に保てます。
またお座敷スタイルでドームテントを使う際に困るのが、靴置き場です。
ベスティブルはフロアレスなので、玄関としても使いやすく、雨や露で靴が濡れるのを防ぎます。
夏のキャンプで心配なのが、蚊による虫刺されです。寝ている間に、何か所も刺されてしまう人もいるのではないでしょうか。虫刺されが心配なら、夏キャンプには虫が侵入しにくい「インナーテント」の使用がおすすめです。
「WAQ Paramount Dome専用オプション インナーテント」はパラマウントドームに装着して、4~5人で寝られるインナーテントです。
メッシュパネルが5枚付属しており、風通しがよく涼しさを確保します。
またメッシュパネルはフルクローズもできるので、冬は保温のために使う方法もアリです。限られたスペースに寝ることで、広い空間よりも温かさを保てます。