地面が剥き出しとなる床なしテントは「より自然を身近に感じたい」という方にぴったりなキャンプギアです。
コットを入れて寝転がると地面との境界がなくなり大自然の一部になったような感覚を体験できるのは、まさに醍醐味といえるでしょう。
一方、フロア部分がなく地面が剥き出しとなるので、雨・風・虫についての不安もあります。
そこでこの記事では次の内容を解説します。床なしテントを快適に使いこなすためにチェックしてくださいね。
- 床なしテントの魅力
- 床なしテントの選び方
- 使用時の注意点と安全対策
- 床なしテントの活用シーン
さらに記事の後半では、初心者からベテランまで楽しめる、WAQ自信作の床なしテントや機能的なアイテムもあわせてご紹介します!ぜひ最後までご覧ください。
床なしテントの特徴
床なしテントは、床とインナーテントがないシンプルな「シェルターテント」「フロアレステント(フロアレスシェルター)」のことです。
ダブルウォールテントより通気性がよく軽量で、タープと違って四方を隠せるためプライバシーの確保もできるのが特徴です。テントとタープの特徴を併せ持つテントといってもいいですね。
床なしスタイルで宿泊するには「コット」を使用するのが定番です。低い位置で寝るのが苦手な方やベッド派の方にもおすすめです。
なんといっても大地とつながっているような開放感は、床なしテントならでは。キャンプスタイルを少し変えてみたいときにもいい選択肢になりますよ。
床なしテントのメリット・デメリット
フロアがないテントは、いろいろな楽しみ方ができる万能アイテム。メリットは多いですが、特有のデメリットもあるのでしっかりチェックしておきましょう。
メリット
床なしテントのメリットは大きく6つあります。
- メリット1 設営・撤収がかんたん
- メリット2 軽量で持ち運びやすい
- メリット3 靴の脱ぎ履きがない
- メリット4 季節を問わず使いやすい
- メリット5 自然との一体感が味わえる
- メリット6 テントサイトのカスタマイズ性が高い
メリット1 設営・撤収がかんたん
インナーシート(インナーマット)やグランドシートがいらないので設営・撤収時の作業が格段に少なくなります。
忙しい朝の撤収時に、結露や汚れを拭いて乾燥させる手間がなくなるだけでもありがたいですよね。
汚れたギアも気にせずテント内に運べるので、夜間の防犯にギアをテント内にしまうときもラクラクです。
メリット2 軽量で持ち運びやすい
シート類がないため総重量は軽くなります。サイズも小さくなるので持ち運びや積載が楽になるのもメリットです。
軽さを重視した超軽量タイプもあるので、ファミリーだけでなく、ツーリングやソロなどライトにキャンプを楽しみたい人にもうれしいですね。
メリット3 靴の脱ぎ履きがない
リビングスペースから寝室まで地続きになっているので、テント内に入るときも靴を脱ぐ必要がありません。お手洗いや売店への移動なども、土足でそのまま移動できます。
脱ぎ履きがわずらわしい人や、腰の負担が気になる人にも魅力的です。
また、靴の脱ぎ履きで小石などがフロア内に入って汚れるといった心配もありません。
メリット4 季節を問わず使いやすい
床なしテントは、夏は通気性がよく涼しく過ごせて、冬はストーブなどの暖房器具の活用で暖かく過ごせます。
いろんなキャンプギアとの組み合わせがしやすいので、季節を問わず使えることや、自分好みの快適な空間をデザインできるのが魅力的です。
メリット5 自然との一体感が味わえる
地面が剥き出しのため、土や草の香りまでダイレクトに感じられます。お気に入りのキャンプ場と地続きになっている感覚が、癒しになること間違いなしです。
「自然を感じながらワイルドに野営したい」方だけでなく、「タープを使っているときのような開放的な野営がしたいけど、プライバシーも気になる」といった方にもおすすめなテントです。
メリット6 テントサイトのカスタマイズ性が高い
リビングから寝室までのしきりがないので、壁や床の制限が少なくキャンプギアを自由に設置できます。
コットを入れるのはもちろん、シートを敷いて自分好みにカスタマイズできるので、秘密基地のようなオリジナリティを出せるのも魅力。
車中泊との組み合わせや、人の出入りが多い大人数のキャンプとも相性がいいですよ。
デメリット
床なしテントのデメリットは、大きく5つあります。
- 地面の凹凸の影響を直接受ける
- 湿気を直接受ける
- 冷気を直接受ける
- 雨の影響を受ける
- 虫や動物の侵入の可能性がある
雨が降ると水が侵入してきたり、湿気や冷気が直に伝わってきたりなど、床があれば防げる影響をダイレクトに受けます。
ただし、対策をキチンとすることで、これらのデメリットはしっかりとカバーできます。
ここから先は「床なしテントの選び方」や「安全対策」を紹介しますので、これらを通してデメリットを解消していきましょう。
床なしテントの選び方6選
床なしテントを選ぶときは、下記を考慮しましょう。
- サイズ
- 形状
- 素材
- 通気性
- 耐水性
- 設営のしやすさ
なお基本的なテントの選び方は、下の記事で解説しています。キャンプ初心者で自分のキャンプスタイルに合ったテント選びの知識を身につけておきたい方は、こちらもチェックしてくださいね。
ここからは、上記のポイントを踏まえたうえで、床なしテントをより楽しめる選び方をわかりやすくご紹介します。
選び方1 天井高をチェックする
床なしテントの特徴といえば開放感ですよね。とにかく開放感をアップさせたいなら「天井高を200cm前後、または立って過ごせる高さ」を目安に選んでみましょう。
地面との距離が近いこともあり、湿気の影響も受けやすいので、ある程度高さがある方が快適度もアップしますよ。ドームのように天井部の広がりがあるモデルも圧迫感がなくおすすめです。
選び方2 ワンポール・ツーポールテントを楽しむ
床なしテントは、かんたんに設置できるワンポールテントと相性がいいです。
ワンポールテントとは、四隅にペグを打ちテントの中心に1本ポールを立てて設営するシンプルな構造のテントのこと。設営がかんたんで、はじめて床なしテントを使う初心者におすすめです。
ワンポールテントは、中心のポールがデットスペースになってしまいますが、ふたまたポール(ふたまたフレーム)を併用することで広がりのある空間作りができます。テント内の開放感を満喫したい人にぴったりなオプションですよ。
ツーポールテントの選択肢
ツーポールテントは2本のポールを使った大型のテントです。こちらもシンプルな構造で設営しやすいのが魅力です。
人気のカンガルースタイルや跳ね上げのアレンジなど、カスタム度が高いのが特徴のひとつ。ただし、2つのポールや壁によるデッドスペースがうまれやすいため、立って歩けるほどの天井高と「収容人数+2人」の大きさを想定しましょう。
選び方3 薪ストーブが使えるモデルを選ぶ
床なしテントはそのカスタマイズ性を活かして、せっかくなら4シーズン使い倒したいですね。「冬場もあたたかく快適に使用したい」という方は、薪ストーブが設置できるタイプを選ぶといいでしょう。
薪ストーブが設置できるテントには、煙突ポートが設置されています。いくつか設置されているとレイアウトに融通がききますよ。
床なしテントはほかのテントと比べて通気性や換気性に優れています。ただし、必ず薪ストーブ対応のテントを使用して、一酸化炭素中毒のリスクに十分配慮しながら安全に使いましょう。
選び方4 スカート付きを選ぶ
スカートは、床なしテントの弱点である「雨・風・虫」などをフォローしてくれるので、積極的に取り入れたいパーツです。冷気の侵入を防いでテント内の暖かさが逃げにくくなるので、冬場でも快適に過ごすのに役立ちます。
また地面とテントの隙間から風が入りにくくなるので、テントの耐久性も上がり、虫や野生動物たちの侵入も防げます。
巻き上げや取り外し可能なモデルなら、テント内に熱がこもりやすい夏場でも、通気性を担保できますよ。
選び方5 TC素材のテントを選ぶ
テントの素材は、ポリエステルとコットンの混紡素材である「TC素材」が暖かく過ごしやすいです。
コットン素材が湿気を吸収してくれて結露しにくいので、湿気の影響を受けやすい床なしテントの弱点を補いやすいですよ。
もし冬場にポリエステル素材の床なしテントを使いたいなら、薪ストーブを使えるテントを選ぶなど寒さ対策を万全にしましょう。TC素材よりもメンテナンスしやすく軽いので、上手に使いたいですね。
選び方6 インナーテント付き・メッシュ付きテントを選ぶ
床なしテントの弱点である「虫が入りやすい問題」に対して、欲しくなってくるのがインナーテントやメッシュ付きテントです。虫の侵入にも配慮できて汎用性がアップしますよ。
もともとこれらが付属しているテントを選んでおくと、いざというときや就寝時の際に活用できます。
WAQおすすめの床なしテントと関連ギア
WAQの床なしテントは、ソロからファミリーまで幅広いキャンパーが満足できるこだわりがつまっています。
床なしテントの弱点を補う居心地のいいテントとコットや、床なしテントのよさを味わえるコット用のインナーテントなど、便利なギアをご紹介します。
WAQ Paramount Dome | |
WAQ Paramount Dome専用オプション インナーテント | |
WAQ Alpha T/C | |
WAQ Alpha TC専用フタマタポール | |
WAQ Alpha T/C SOLO DX | |
WAQ Alpha TC/FT | |
WAQ 2WAY フォールディングコット | |
WAQ 2WAY WIDE COT | |
WAQ Astra CTインナー | |
WAQ インフレータブル式マット 8cm | |
WAQ RELAXING WIDE MAT |
人気のティピーとドーム型!WAQの床なしテント
WAQ Paramount Dome
薪ストーブ用煙突ポート | スカート | インナーテント |
○ 側面・天井2箇所 |
○ 内側・外側2個所 4シーズン対応 |
△ 別売り大人4名用 |
収容可能人数は1〜5人、幅が4mと絶妙なサイズ感のドーム型床なしテント。これ1つでソロからファミリーまで使い分けができます。
クロスフレーム型で風への耐久力があり、設営もかんたんです!
素材は、耐水圧2000mmのリップストップポリエステル。強度が高く乾きがはやいため、TC素材よりメンテナンスがしやすいのが特徴です。
天井高は195cm。ドーム型で天井の広がりもあり、テント内を歩き回れます。腰の負担が気になる人にもおすすめ。
360°のメッシュパネルを解放すれば、通気性がよく夏でも快適に過ごせますよ。冬場では空気の入れ替えがしたいときにも便利です。
薪ストーブをインストールできる煙突ポートが側面と天井部の2箇所にあり、レイアウトに困ることなく使えます。
スカートは内側と外側のW装備!冬も暖かで風にも強いからシーズンを選ばずキャンプ場に連れていけます。
フロアシートも付属で付いてくるので、床なしスタイルに不安がある人でも万が一のときに心強いですね。
必要であれば、専用オプションのインナーテントも揃えられます。オールブラックで遮光性が高く、テントに合わせたメッシュ構造です。
フックと面ファスナーに取り付けるだけで設置できるので、初心者の方でも装着しやすい仕様になっています。
WAQ Alpha T/C
薪ストーブ用煙突ポート | スカート | インナーテント(吊り下げ式) |
× |
○ 4シーズン対応 |
○ |
1人で贅沢な時間を味わえる、ソロ用の床なしワンポールテント。天井高は150cm、側面は240×240cm。コンパクトながらも、「コット・テーブルチェア・ラック」をひと通り設置できる十分な広さです。
テント生地はTC素材で、燃え広がりにくいから近くで焚き火をしても安心。夏は日差しをカットし、濃い影を作ってくれるのが頼もしいところ。通気性にも優れているのでテント内でも快適に過ごせますよ。
同素材のスカートが付いていて、寒さや風に強くオールシーズン対応しています。
タープがなくても前室として日陰を作り、快適な居住スペースを広げられるサイドフラップ付き。3パターンの跳ね上げアレンジを楽しめます。
WAQ Alpha T/Cは、これだけで設営できるオールインワン仕様。設営時間10分と、初心者にもおすすめなソロテントです。コンパクトかつ十分な性能を備えたテントが欲しい人にもぴったりです。
ワンポールテントのデッドスペースを解消したい人は、専用のフタマタポールを取り入れるのがベスト!
WAQ Alpha T/C SOLO DX
薪ストーブ用煙突ポート | スカート |
(吊り下げ式) |
インナーテント
○ ベンチレーター2個所 |
○ 4シーズン対応 |
○ 大人2名用 |
WAQ Alpha T/Cがソロ〜デュオまで楽しめるサイズにグレードアップ!天井高は180cmで立ったまま出入りしやすく、側面は300×300cmと居住空間が広がりました。
オプションであったフタマタポールが、標準装備されているのが最大の特徴です。これにより、センターのデットスペースを解消し、テント内のレイアウトの自由度が格段にアップしました。
標準装備として煙突穴がついているので、薪ストーブのインストールが可能に。冬でも暖かく、薪ストーブに癒されるひと時を楽しめます。
ティピーテントのクラッシックなデザインに薪ストーブの煙突。素敵なシルエットが完成しますね。
WAQ Alpha TC/FT
薪ストーブ用煙突ポート | スカート | インナーテント(スリーブ式) |
○ ベンチレーター4個所 |
○ 4シーズン対応 |
○ 大人4名用 |
天井高250cm、幅400×400cmでゆったり広々過ごせる、大型の床なしワンポールテント。テント内に小型テントを張る、カンガルースタイルにも最適です。
大型でも設営時間の目安は15〜20分と短時間。ベンチレーターが4個所あることで、結露ができても乾きやすいのがうれしいところ。
TC素材で風合いもよく、形もかっこよくキマります。グループキャンプやファミリーキャンプで楽しむのにぴったりな床なしテントです。
快適な寝心地でぐっすり!WAQのコットとマット
WAQ 2WAY フォールディングコット
床なしテントで寝るアイテムとしてぴったりなWAQのコット。高さをハイ・ローで調整可能なので、寒さや湿気が気になったら高くできて、地面からの底冷えにも安心です。
要であるシートは、600デニールのポリエステルを使用し、張り感と耐久性が自慢。沈み込みすぎずテンションがしっかりしているので、背中や腰が疲れづらくなっています。150kgの重さも支えられる高耐荷重です。
また、ギシギシ音が気になる人にも優しい静音設計。寝返りを打って起きる、なんてことも起こりづらいですよ。
このあと紹介するオプション品のインナーテントやキャンプマットとあわせて使えば、床なしテントでも最強の寝心地と快適さを実現できます。自分好みにカスタマイズしてみてくださいね。
こちらのコットには、210×81cmのワイドタイプもあります。通常タイプよりも幅が広く寝返りもうちやすいですよ。
横になったとき腕にポールがあたるのが気になるという方や、ゆったり眠りたいという方はこちらのタイプもチェックしてみてくださいね。
WAQ Astra CTインナー
コットのオプションとしておすすめしたいのが、WAQ 2WAY フォールディングコット専用インナーテントです。コットを使ったカンガルースタイルに最適です。
88cmもの十分な天井高は、圧迫感なく快適な空間を確保できます。ワイドコット用もあり、そちらの天井高は97cmも!
全面メッシュで通気性が抜群。インナーテントが付属されていないテントでも、これがあれば夏でも快適に過ごせるのはもちろん、虫対策も完璧です。
床なしテントのよさを最大限に活かしつつ、快適な寝心地も手に入れたい人にぴったりです。ぜひチェックしてみてくださいね。
WAQ インフレータブル式マット 8cm
WAQのコットにぴったりな自動膨張機能つきのマット。8cmのウレタンマットがキャンプサイトの凸凹を解消し、その日の疲れをしっかりと取ってくれます。
車内の段差もカバーし、ミニバンのフルフラットに収まるサイズ感で、車中泊にもおすすめ。マット裏面は滑り止め加工を施しています。
R値=6.0と冬でも使える断熱性を備えた高機能なマットです。
よりゆったりとした寝心地を追求したい方には、210 × 80cmと幅&長さがアップした「WAQ RELAXING WIDE MAT」も要チェック!
床なしテント使用時の注意点と安全対策
床なしテントを使用するとき、とくに気をつけたいポイントは次の3つです。
- 地面からの湿気や底冷え
- 急な雨風や突風
- 虫や小動物の侵入
これらに対して、あらかじめ対策することがカギとなります。ここでは、3つのポイントを踏まえた安全対策をご紹介します。
対策1 設営前に整地する
テントを張る場所を決めたら、必ず地面の清掃をしましょう。木の枝や葉っぱ、石などをよけて設営することでテント内のトラブルを減らします。地面の状態もしっかりと確認でき、テント内の快適度もアップしますよ。
対策2 急な雨の対策をする
自然のなかでおこなうキャンプでは、急に雲行きが怪しくなることも多いもの。床なしテントを安全に使うためにも、雨が降ることを前提に、以下で紹介する防水対策やその準備をしておきましょう。
- 水はけのいい場所を選ぶ
- シートを活用する
- 小物で雨対策をする
もちろん、雨予報のときは無理してキャンプをしないことも大切です。
1.水はけのいい場所を選ぶ
水はけのいい場所を選べば、雨が降ってきてもテント内に水たまりができるのを防げます。芝生や砂利、高地などを選ぶといいでしょう。
2.シートを活用する
床なしテントはシートがないことが魅力ですが、天気に心配があるときはグランドシートや大きめのビニールシートなどを準備しておくと、急な雨にも慌てずに対応できます。
3.小物で雨対策をする
厚手のポリ袋などを用意しておくと、なにかと便利です。濡らしたくないギアや荷物をカバーして、安全にまとめておけますよ。
対策3 地面からの湿気や底冷え対策をする
基本の寒さ対策に加え、コットやシートなどを活用して地面から伝わる湿気・底冷え対策も万全にしておきましょう。
具体的には、次のような対策があります。
- コットを高めに設置する
- インナーテント・グランドシートを併用する
1.コットを高めに設置する
コットを設置する場合は、高めに設置して地面との距離をとるほうが、湿気や底冷えなどの影響を受けにくくなります。
さらにコットの上にマットを敷けば、底冷えを効果的にシャットアウトできますよ。マットは断熱性能が高く、冬でも使えるモデルを選ぶと安心です。
WAQでは、高さ調整ができる2WAYコットや断熱性の高いキャンプマットを販売しています。この機会にぜひチェックしてみてください。
2.インナーテント・グランドシートを併用する
インナーテントは結露を防ぎ、保温性をアップする役割があります。
フライシートとインナーテントの間に空間ができて、内外気の温度差がうまれにくく結露を防ぐのに役立ちます。二重構造になると密閉性がアップするため、インナーテント内の温度が上がりやすく寒さ対策につながりますよ。
寒い時期は無理をせずにインナーテントを利用して、快適に過ごしましょう。また、インナーテントの下にはグランドシートを敷くとより断熱性がアップします。
参考:インナーテントの種類も押さえておこう
インナーテントには「スリーブ式」と「吊り下げ式」があります。
「スリーブ式」は、センターポールに通して立ち上げる設営方法のため、安定性が高いのが特徴です。ただし、つけたいときにサッと取り付けられないのがデメリットです。
一方の「吊り下げ式」は、フックを引っかけるだけと設営しやすいのが特徴。スリーブ式と比べて強度は劣るものの、使いやすく初心者におすすめです。
対策4 風が強い日の対策をする
床なしテントは、地面の隙間から入ってくる風に煽られて、吹き飛ばされる可能性があります。風の侵入を防ぐために、スカート付きのものを選ぶだけでなく、次のような工夫をしておくと安心です。
- ペグの打ち方を工夫する
- テントは地面スレスレにしてテンションをかける
- 風が強いキャンプ場はなるべく避ける
1.ペグの打ち方を工夫する
いつも以上にペグダウンを念入りにしましょう。風に強い「三角打ち」にして強度を上げるのがおすすめです。
「三角打ち」の方法は、すでにペグダウンしてあるペグの真横にもう1本ペグを打ち込むだけ。心配な場合は、抜けにくいとされるペグを用意するのもいいですよ。
三角打ちはかんたんにできて、とても便利な安全対策なのでこの機会にぜひ覚えておいてくださいね。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2.テントは地面スレスレにしてテンションをかける
テントが風で煽られないよう、地面に密着するように設営しましょう。風でたわまないようにテンションをかけて張るのがポイントです。耐久性がアップするので急な雨にも安心です。
また床なしテントには、天井高を変えられるモデルもあります。その場合は、高さを低く設営することで風への抵抗を強められますよ。
3.風が強いキャンプ場はなるべく避ける
設営やテントの耐久力が心配な場合は、風が強すぎるキャンプ場を避けるのもひとつの手です。夜中は突風が猛威をふるうところもあります。事前にキャンプ場の口コミや、公式サイトをチェックすることでトラブルを予防しましょう。
風の強さは、吹き流し(風速目安標識)の角度が45度以上になると要注意の目安です。
ポールが曲がりテントが飛ばされるほどの突風も予測されるので、それ以上の角度でたなびいていたら、設営は我慢して風が収まるのを待つのが鉄則です!
対策5 虫や小動物への対策をする
床なしテントは、インナーテントやメッシュテントがないため虫に侵入されやすいのも悩みの種。安全にキャンプを楽しむためにも、万全な虫対策をしましょう!
- 肌の露出をさけ、虫除けスプレーをしっかりぬる
- 蚊取り線香などの虫除けグッズを活用する
- 設営場所は虫が少ない高台を選び、林間サイト・茂みの近く・売店・手洗い場など明かりが多い場所を避ける
- テントの色は虫が寄りつきにくい「モスグリーン」や「サンドカラー」などのアースカラーを選ぶ
- インナーテントやメッシュテントを用意する、またはカンガルースタイルにして物理的に対策する
- 食べ物のにおいは虫や小動物を呼び寄せる。クーラーボックスでにおいを遮断し、ゴミ袋は口を閉めるかフタ付きのものを選ぶ
虫対策はこちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
床なしテントの活用シーンとおすすめキャンプスタイル
床なしテントならではのライトな活用シーンと、コットを入れるスタイルなど定番のキャンプスタイルを紹介します。自分にあったキャンプスタイルにお役立てください。
床なしテントの活用シーン
床なしテントは「開放的に楽しみたい夏キャンプ」「薪ストーブを活用した冬キャンプ」とさまざまな季節を楽しめます。
さらにそのコンパクトさと軽さを活かせば、山岳キャンプや登山でも活躍します。ストックをテントポールにして設営するウルトラライトスタイルにも最適ですよ。その場合、生地が薄くて耐久性の高い山岳モデルを選ぶのが一般的です。
同様に、積載量が少ないバックパッキングで徒歩キャンプをする人や、ツーリングを楽しむ人も活用できます。
おすすめのキャンプスタイル
定番!コットスタイル
テント内にコットを入れて、日中から就寝にかけて開放感を満喫する王道スタイル。日中もベンチにして使用できるなど、コットを最大限に活用できます。
開放感があり、新鮮な寝心地を体験できるので、ぜひ一度は試してみたいスタイルですね。通常のキャンプにマンネリな人にもおすすめです。
開放感があって風や虫にも強い!メッシュスタイル
メッシュパネルが豊富に設置されたテントを使った、開放感あふれるスタイル。
タープのような開放感を味わいつつも、適度な日差しの遮りや虫対策もできるのが魅力です。とくに夏場は快適!
メッシュが多く設置されたテントは、通気性がよく風にも強いのがいいところ。全面メッシュ開放したり、風向きや日差しを考慮して一部だけメッシュにしたりと自由にアレンジもできます。
居住空間を広く保てるドーム型などの大きめのテント、天井部分までフルメッシュにできるモデルだとより楽しみが増えますよ。
もうひとつのテントで!カンガルースタイル
小さなテントをもうひとつ用意し、床なしテントの中に設置するスタイル。ポップアップテントなどの手軽なテントだと設営も楽になります。
日中は床なしテントの外に設営すれば、テント内を広く使いつつ、荷物置き場としての活用もできます。おしゃれにアレンジしやすく、工夫次第でとても快適に過ごせる人気スタイルです。
居住空間を拡張!タープ連結スタイル
タープをテントの入り口に被さるように設営する定番スタイル。地続きに居住空間が広がって過ごしやすく、日差しの強い夏場にもおすすめです。
タープとテントの連結は見た目もかっこよくアレンジの幅がより広がります。リビングスペースとプライベートスペースを分けられるので、ソロはもちろん、デュオからファミリーまで思い思いに過ごしやすい空間になりますよ。
いいとこどり!ツールームスタイル
ツールームの床なしテントで、リビングは床なし、寝室は床ありの両方を楽しむスタイル。常に寝室がある状態なので、「靴を脱いでくつろぐ・急な雨でも困らない・気軽に荷物を置いておける」などのメリットが魅力です。
比較的広いテントが多いので、多人数や家族にもおすすめのスタイルではありますが、テントが大きくなりやすいので軽量を重視する場合には不向きといえます。
床なしテントならではの自然体験を楽しんで
床なしテントはその開放感を楽しむだけでなく、設営や撤収がかんたんにできる手軽さが魅力なアイテムです。「難しいかも?」とあきらめるのはもったいない。
事前の安全対策をすれば、弱点を補いながら快適に楽しめるキャンプスタイルなので、ぜひチャレンジしてみてください。きっと新たなキャンプの楽しみ方が見つかるはずですよ。
ギアに迷ったら、WAQの床なしテントやコットもうまく活用してみてくださいね。