ゆらめく炎が魅力的なオイルランタン。初心者には「使い方が難しそう」と感じられることも多いはず。オイルを補充したり芯を調整したりと手間がかかるのは事実ですが、その手間こそがオイルランタンの楽しさでもあります。
そこで本記事では、次の内容をわかりやすく解説します。
- オイルランタンの基本的な構造
- 安全な使い方
- 失敗しない選び方
- お手入れのコツ
オイルランタンの使い方をマスターすれば、その奥深さにどっぷりハマること間違いなしです!
記事後半ではWAQで販売しているオイルランタン「WAQ Nocturne Lamp」の特徴や魅力についても詳しくご紹介するので、最後までご覧ください。
オイルランタンの光源は2種類
オイルランタンは、次の2種類に分けられます。
- 『芯』を使う「非加圧式」
- 『マントル』を使う「加圧式」

加圧式のものは構造が複雑で、キャンプ初心者が扱うには少しハードルが高め。
そのためこの記事では、初心者でも扱いやすい「非加圧式」オイルランタンを中心に詳しく解説します。
手始めに、オイルランタンの光源の種類と構造を理解していきましょう。
種類1 『芯』を使う「非加圧式ランタン」

非加圧式オイルランタンは、芯と燃料を使って明かりを灯す伝統的なランタンです。

やわらかな光と暖かみのある炎のゆらめきは、キャンプサイトの雰囲気作りにぴったり。サイト全体を照らすメインランタンというより、テーブルランプなどのサブランタンとしての利用がおすすめです。

また、インテリアとしても美しいデザインが多く、コレクション欲を刺激するギアといえるでしょう。
構造
非加圧式オイルランタンは、大きく分けると3つのパーツで構成されています。

- ガラスカバー(ホヤ):炎を風から守り、安定した光にする
- 芯(ウィック):燃料を吸い上げて燃焼させる重要な部分
- 燃料タンク:オイルを貯める部分
芯は通常、燃料を吸い上げやすい綿製で、徐々に燃えていく消耗品ですが、適切に扱えば長期間使用できます。
点火方法
非加圧式オイルランタンは、基本的にタンクにオイルを入れて、芯に点火するだけで使えます。安全に消火するスキルを身につければ、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

- ガラスカバーを外す
- タンクに容量の8割ほどオイルを入れる
- 10分ほど待ち、芯が十分にオイルを吸収したことを確認
- 火力調整のハンドルを回して芯を隙間から少しだけ伸ばす
- ライターやマッチで芯に火をつける
- ガラスカバーを戻し、ハンドルを調整してススが出ないよう炎を安定させる
新品の芯を使う場合は、タンクにオイルを入れて30分〜1時間ほど染み込ませておくと安心です。

また、点火後に炎が安定しないときは芯を少し伸ばすとよいでしょう。火力調整ができないタイプのランタンでは、あらかじめ芯を短めに設定しておくと安全です。
芯の長さは短めに

芯の長さは、隙間から出るか出ないか程度に調整するのがおすすめです。
寒い時期などに点火時の炎が大きくなると、ガラスが急激に高温になりヒビが入ることがあります。大切なランタンを守るためにも覚えておくと役立つでしょう。
消火方法
消火には、次の2つの方法があります。

- 火力調整ハンドルを絞り、火が消えるまで芯を短くする
- ガラスカバーを外して息で吹き消す(吹き消し穴がついているケースもある)
消火後は、一度ハンドルを回して芯を少し伸ばし、炎が上がらないことを確認してください。
完全に火が消えるのを確認したあと、本体の熱が冷めてから片付けるようにしましょう。
息で吹き消す場合は、不完全燃焼による黒い煙が出ることがあります。この場合は、ハンドルを絞って完全に火を消してください。ハンドルを回しすぎて芯を下げすぎると、芯が外れてタンクに落ちることがあるため、慎重に操作することをおすすめします。
種類2 『マントル』を使う「加圧式ランタン」

キャンプ用ランタンのなかでも抜群の明るさを誇る加圧式オイルランタンは、マントルを使用します。
マントルとは?

小さな布の巾着に見えますが、発光物質が塗られていて、ランタンの「電球」の役割を果たします。使用前に「空焼き」をおこない、繊維を灰化させて発光可能な状態にします。
加圧式ランタンの特徴は以下のとおりです。
- 圧倒的な明るさ:非加圧式と比べて非常に明るい
- 明るさ調節が可能:ガス量を調整して光量をコントロールできる
- 準備が楽しみの一部:点火前に「マントルの空焚き」「ポンピング」といった手間があり達成感が得られる
大光量を活かしてメインランタンとして活躍するほか、準備の手間や操作の楽しさも魅力です。
ただし非加圧式と比べると操作には慣れが必要なので、キャンプ初心者よりも中級者やベテランにおすすめのランタンです。
構造
加圧式オイルランタンは、以下4つの主要パーツで構成されています。

- ガラスカバー(ホヤ):炎を安定させ、風から守るための透明なカバー
- マントル:布巾着のような見た目で光源となる部分
- ジェネレーター(ヴァポライザー):燃料を気化させてマントルに送り込むパイプ
- 燃料タンク:燃料を貯める部分で、加圧用のポンプがついている
点火方法・消火方法

- 事前準備(ポンピング):燃料タンクに空気を送り込んで圧力をかける
- マントルの灰化(空焼き):取り付けたマントルを燃やし、白く灰化させる
- 点火:灰化したマントルに火を近づけつつ燃料バルブを開く。ジェネレーターを通った燃料が気化してガラスカバー内に放出されると炎が灯ります
消火方法は、燃料バルブを絞り、燃料の供給を止めるだけです。気化した燃料が完全になくなるまで少し明かりが残ることがありますが、これが自然な消火の流れです。
オイルランタンの芯の種類
オイルランタンの芯は、次の2種類が主流です。

- 平芯(フラットウィック)
- 丸芯(ラウンドウィック)
「平芯」はオイルランタンに最も広く使用されているタイプで、扱いやすくメンテナンスもかんたん。燃焼が均一で、シンプルな構造が魅力です。
もうひとつの「丸芯」は円筒状の芯で、炎が安定し、燃焼効率が高いのが特徴です。アルコールランプにも採用されています。
(フラットウィック) |
平芯
(ラウンドウィック) |
丸芯|
形状 | 平たい帯状 | 立体的な円筒状 |
特徴 |
柔らかく穏やかな光を放つ 横に広がる安定した炎で、燃費がいい 芯の幅で燃焼面積が変わる |
平芯より燃焼面積が広い 円形の炎で強めの光を放つ 少し高めの温度で燃焼する |
使用例 | ハリケーンランタン | アンティークランタン、マイナーズランタン |
その他には、特別な形状として「中空芯・棒芯・特大平芯」などもあります。
平芯は先端を整えてキレイな炎に
平芯をカットすることで、炎の形を変えるのもオイルランタンの楽しみのひとつです。
やり方はかんたん。芯の角を斜めに少しだけカットし、芯の先を台形にととのえれば炎の形が美しい二等辺三角形になります。炎の形が整うだけでなく、炎の面積が多くなり明るくなります。

また、炎が横に広がらなくなるため、ガラスカバーにダメージを与えづらくなり、ガラスにヒビが入るトラブルを軽減できます。メリットも多いのでぜひトライしてみてくださいね。
なお、丸芯はカットしなくても安定したキレイな炎になりますよ。
芯を消耗せずに使う2つのポイント

芯は適切に使うと消耗を抑えながら長く利用できます。
芯を出しすぎると先が炭化し、燃焼不全になるため、炎の大きさは1〜2cm程度になるように調節するといいでしょう。ゆらめきすぎず安定している状態が目安です。
また、オイルがなくなると芯自体が燃え始めてしまうため、オイルが全部なくなる前に継ぎ足すか、消灯するようにしましょう。
芯の交換は面倒?
面倒に思われがちな芯の交換ですが、オイルランタンを普通に使用している人ならかんたんな工程です。ここではハリケーンランタンを例に、芯の交換方法を解説します。
まずは、ランタンに合うサイズの芯を用意し、以下の手順で交換します。

- ガラスカバーを取り外し、ハンドルを回して芯を取り外す
- 交換用の新しい芯を15〜25cm程度にカットする
- 下側から新しい芯を入れてハンドルを回しながら芯を噛ませて取り付ける
- カバーなどを本体に装着したら完了
余裕があればタンクにオイルを入れて、1時間ほど染み込ませておくと次回の使用が楽になります。ランタンケースには替え芯を入れておくと、いざというときにも役立ちますよ。
オイルランタンの燃料の種類
オイルランタンに使われる燃料には「パラフィンオイル」と「灯油」があります。ランタンの燃料選びは、安全性や使い勝手に大きく関わります。
ここでは「パラフィンオイル」と「灯油」について、それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめました。
パラフィンオイル | 灯油 | |
メリット |
燃焼時間が長い インターネット通販で購入可能 匂いが少なく屋内使用しやすい ススが出にくくメンテナンスがかんたん 引火点が高く安全性が高い ハーブ配合の虫除けオイルがある |
安価でコストパフォーマンスがよい(パラフィンオイルの約10%の価格) 一度に大量購入ができて手間が省ける 引火点がやや低めながらも安全に使える 炎が明るく視認性がよい |
デメリット |
灯油に比べて割高 使用可能なランタンが限られる |
ガソリンスタンドやホームセンターでの購入が必要 少量購入が難しい 硫黄の匂いが強い ススが出やすくメンテナンスに手間がかかる タール化で芯が固まりやすい |
パラフィンオイル・灯油、どちらを選ぶべき?
キャンプスタイルや使用シーンに応じて選ぶのがポイントです。コストパフォーマンスを重視するなら灯油がおすすめですが、取り扱いに慣れていない初心者や、匂い・ススを避けたい場合はパラフィンオイルを選ぶと快適に使えます。
各ランタンのメーカー推奨の燃料を確認し、安全性を最優先に選択することが大切です。
非加圧式オイルランタンの種類
非加圧式オイルランタンは、次の2種類にわけられます。
- テーブルランタン
- ハリケーンランタン

どちらも扱いやすく初心者におすすめです。それぞれに特徴があるのでくわしく見ていきましょう。
種類1 テーブルランタン

卓上に置いて手元を優しく照らしてくれるので、夜の雰囲気作りに最適です。素材にはガラスや真鍮が用いられており、クラシックな外観で見た目にもおしゃれなものが多いのが特徴。
構造もシンプルで使いやすく、コンパクトで小回りがきく点もポイントです。
種類2 ハリケーンランタン

ハリケーンランタンは、強風や悪天候でも炎が消えにくい設計です。ガラスのチムニー(囲い部分)と通気管を備えた構造により、風が強い状況でも安定した光を放ちます。独特なフォルムと美しいシルエットがデザイン面でも魅力的。
種類やサイズが豊富で、大きなタンクを持つモデルが多く、長時間の燃焼が可能です。多くのキャンパーが愛用している人気のランタンで、屋外作業や停電時にも活躍しますよ。
オイルランタンの選び方

オイルランタンはサイズやデザインが豊富で、選ぶ楽しさがあるアイテムです。
選び方1 サイズやデザインで選ぶ

オイルランタンは見た目の美しさも魅力のひとつ。お気に入りのデザインをじっくり吟味しましょう。
吊るして使うのか、テーブルに置いて使うのかを想定すると、選びやすくなります。
大きなランタンは明るく存在感があり、小型のものは持ち運びがかんたんです。燃料タンクが大きければ燃焼時間も長くなりますが、規格によって差があるため、どのくらい使用するかを考えて選ぶと失敗がありません。
選び方2 素材で選ぶ
オイルランタンの素材には以下の種類があります。
スチール |
衝撃に強く重量感があり、タフな環境に最適 サビやすいためメンテナンスが必要 |
真鍮 |
やわらかく傷がつきやすい 経年変化を楽しめるため雰囲気やインテリア性が高い |
ステンレス |
サビに強く耐久性がある 軽量で扱いやすい |
ガラス |
炎の美しさを直接楽しめる 割れやすく取り扱いに注意が必要 |
アルミニウム |
軽量でサビにくい 持ち運びやすい 耐久性はスチールや真鍮に劣る |
初心者には、メンテナンスが容易で軽量な「ステンレス製」や「アルミニウム製」が最適です。
一方、セカンドランタンとして雰囲気を重視したい場合や、お手入れそのものを楽しみたい人には、真鍮やスチール、ガラス製がおすすめです。
自分にあった素材を選えば、使い込むほどに愛着がわきますよ。ぜひビビッとくるランタンを探してみてくださいね。
WAQおすすめのオイルランタン「WAQ Nocturne Lamp」

「WAQ Nocturne Lamp」は、サイトの雰囲気を格上げするクラッシックなデザインのオイルランタン。
持ち運びしやすいコンパクトさと洗練されたたたずまいを兼ね備え、はじめての方にもセカンドランタンをお求めの方にもおすすめですよ。
コンパクトさとクラッシックなデザインが魅力

WAQ Nocturne Lampは、高さ約18cm、横幅約6.8cmと手軽に持ち運べるサイズ感。
シンプルな構造で初心者にも扱いやすく、キャンプだけでなくインテリアとしても楽しめます。
人気の3カラーが選べる

- シルバー:どのようなキャンプサイトにもマッチするクールで上質なカラー
- ブロンズ:高級感があり優雅で温かみのある雰囲気を演出
- ブラック:シックで大人のキャンプにぴったり
いずれも上品な仕上がりで、火を灯さなくても置いておくだけで存在感があります。
40mlで5時間点灯!高コストパフォーマンス

タンク容量は40mlで、一定の火力で約5時間点灯可能。低燃費で長く炎を楽しむことができ、夜のキャンプタイムにぴったりです。
メンテナンスしやすいステンレス素材

本体はステンレス製で、サビに強く汚れもさっと拭き取れるため、お手入れがかんたん。きれいな状態を保ちやすく、ランタンの美しさを長く楽しめます。
初めてでも使いやすいシンプルステップ

WAQ Nocturne Lampは、かんたんな手順で使用できます。
- タンクを反時計回りに回してボディから取り外す
- タンクから芯を口金ごと外す
- タンクにパラフィンオイルを注ぐ
- 芯の長さを1~2mmに調節する
- 芯を口金ごとタンクに戻す
- 芯にライターの火を近づけて点火する
- タンクをボディに取り付ける
消火もかんたんで、ランタン上部の「火消し用の穴」から息を吹き込むだけです。
オイルがあればすぐに使える

本体には、内蔵された芯のほか、交換用の替え芯が2本、ピンセット、オイル注入用のボトル、取扱説明書が付属しています。パラフィンオイルを購入すればすぐに使えるため、初心者でも安心して楽しめます。
※WAQ Nocturne Lampはパラフィンオイルの使用を推奨しています。
製品情報
サイズ | 本体:W 約6.8×H 約18cm フックあり:約25cm |
重量 | 本体:約330g |
タンク容量 | 40ml |
対応芯 | ランタンの芯:外径4mm,長さ50mm |
素材 | ステンレス |
オイルランタンを使用する際の注意点
オイルランタンを使用する際は、火を扱うため安全面に十分配慮することが大切です。燃料の取り扱いに注意しながら、快適に楽しむために以下の注意点を押さえましょう。
注意1 火傷に注意

オイルランタンは点火後、本体が非常に高温になります。ガラスや本体の上部には触れず、火より下にあるタンク部分やハンドルを持つようにしましょう。
ただし、芯を出しすぎて炎が大きくなるとハンドルまで熱くなることがあります。慣れるまでは、燃焼中や使用直後に触れる際には、グローブを着用すると安全です。
注意2 屋内使用は避ける
オイルランタンは基本的に屋外で使用します。テント内や空気の流れが悪い場所で使用すると、一酸化炭素中毒のリスクがあるため注意が必要です。
注意3 燃え移りや破損に注意

ランタンの周囲には「燃えやすいもの」や「熱に弱いもの」を置かないようにしましょう。燃焼中は平らな場所に置くか、安定して吊るして使用してください。
万が一に備え、消火用の水を準備しておくと安心です。使用中は常に周囲に人がいるようにし、就寝時には必ず火を消してください。
注意4 不適切な燃料を絶対に使わない

オイルランタンには指定の燃料を使用し、次のようなものは絶対に使わないでください。
- ガソリン/ホワイトガソリン:引火点が低く、爆発の危険があります
- 燃料用アルコール:ガソリン同様に危険性が高いです
- サラダ油など:引火点が高すぎて火がつきません
以上のことから、燃料を忘れた際に代用品を使うのは控えましょう。
注意5 オイル漏れ対策をする
タンクに燃料を入れたまま持ち運ぶと、オイル漏れの原因になります。燃料は別のボトルで持参し、ランタン本体の転倒や傾きを防ぐために専用ケースを使用すると安心です。
タンクにオイルを残さないために
オイルを完全に使い切ろうと燃やし続けると、不完全燃焼を起こすことがあります。必要な分だけオイルを入れ、使用後は余ったオイルを専用のスポイトで抜いてください。
この際、オイルが冷えてから作業するようにしましょう。タンクにオイルを放置しないことで、ランタンを長持ちさせることができますよ。
オイルランタンのメンテナンス方法
オイルランタンはLEDランタンと違いメンテナンスが必要です。方法はとてもシンプルで難しい工程はありません。初心者でもかんたんにできますよ。

- ガラスカバー:ススで曇ったら、乾いた布で拭く
- 芯:焦げた部分をカットして取り除き、短くなったら交換する
- タンク:保管する場合はオイルを燃焼させて、空にしておく
これらをおこなうことで安全に保管でき、安定した燃焼と長寿命が期待できます。こまめにお手入れして、愛着のあるオイルランタンを一生モノにしていきましょう!
お気に入りのオイルランタンで癒しのひと時を
オイルランタンは実用性だけでなく、キャンプの雰囲気を高めてくれるロマンあふれるアイテムです。
自分の好みや使用シーンに合った一台を見つければ、きっと特別な時間が増えるはず。この記事が、キャンプをもっと楽しむきっかけになれば幸いです。