テント設営後にコーヒーを淹れて一息ついたり、ビールを入れてジョッキにしたり。保温性や耐久性に特化しているチタンカップは、キャンパーに人気のキャンプギアです。
しかし使用している間に、油汚れや黒ずみなどの汚れがついてしまい、気になっている方もいるのではないでしょうか。
チタンカップを長期的に使うためにはメンテナンスが欠かせません。
今回は、汚れの種類別にチタンカップのメンテナンス方法を紹介します。お手入れする際の注意点についても説明しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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目盛り&フタが付いているので、調理器具としても活躍します。この機会にぜひ公式ストアをチェックしてみてください。
チタンカップはお手入れが必須のキャンプギア
チタンカップは多くのキャンパーが愛用しているキャンプギアです。
軽くて丈夫といったメリットがありますが、ステンレスカップと比べて汚れが目立ちやすいデメリットがあります。
そのためメンテナンスが必須のキャンプギアです。
チタンは汚れが目立ちやすい
チタンは、錆びにくいものの、汚れが目立ちやすい特性があります。
チタンの表面には「チタン酸化皮膜」という「不動態皮膜」が形成されています。不動態皮膜とは、酸化反応が金属内部に浸透しないようにする壁のようなものです。
この不動態皮膜があるため、チタンは錆びにくい性質をもっています。
チタンカップで黒ずみなどの汚れが目立ちやすいのは、この不動態皮膜の上にホコリ・油分・水分が付着して、光の反射の仕方が変化するためです。
そのため、汚れがついたり変色して見えたりしても、適切な方法でお手入れをすれば、元に戻ることが多いです。
参考:焼き色などの変色は戻せる?
中には、チタンの変色を元の状態に戻せないケースもあります。それは「チタンを直火で熱して、酸化被膜の厚さを変えた場合」です。正式には「チタンの陽極酸化処理加工」といいます。
「チタンの陽極酸化処理加工」とは、光の反射のメカニズムを利用して色彩をコントロールする加工技術のことです。チタンを鮮やかに発光させたいときに有効な手法です。
バーナーなどで熱処理を加えると、チタンの酸化被膜の厚さが変化し、青色や黄色などさまざまな色に発色します。
熱を加えて変色させてしまった場合は、チタンの色を元に戻せないと覚えておきましょう。
チタンカップが汚れる原因
チタンカップが汚れる原因は、汗・唾液・手の皮脂がチタンカップに付くためです。これらの汚れに反応して変色します。
チタンカップの汚れが目立ちやすい箇所には、以下が挙げられます。
- 手垢が付きやすい持ち手の部分
- 唇を付ける飲み口の部分
どちらも汗や皮脂が付きやすく、一度使っただけでもすぐに変色してしまうことがあります。
汗や油分が原因の汚れは、このあとに紹介する方法でかんたんに落とせます。
薬品クリーム系に含まれる「皮膜形成剤」も汚れの原因になる
皮脂以外にも、薬品系クリームによる汚れも原因になることがあります。
例えば、ハンドクリーム・リップクリーム・ファンデーションなど、肌の表面を保護する皮膜形成剤が含まれる化粧品などが挙げられます。
これらの成分がチタンカップの表面に付着すると、汚れて見えてしまいます。とくにハンドクリームやリップクリームは撥水効果のある成分が含まれるため、水洗いでは落ちません。
【汚れの種類別】チタンカップのお手入れ方法
チタンカップに付着した汚れの種類によって落とし方が変わるため、写真付きでわかりやすく解説します。
方法1 「焦げ付き」にはサンドペーパー
チタンカップについた焦げ付きは、サンドペーパー(紙やすり)を使って落とします。
チタンカップをクッカー代わりにして調理したり、焚き火の網の上で湯煎したりすると、チタンカップの底が焦げついてしまうことがあります。このような焦げ付きは頑固な汚れのため、食器スポンジでは落とせません。
とはいえ、硬いものを使って剥がそうとすると、カップ自体を傷つけてしまう可能性もあります。
そんなときは、1000〜2000番くらいの細かい目をしたサンドペーパーで磨くと効果的です。
チタンカップに傷がつくのが不安なら、水に濡らしてからサンドペーパーで擦ると、傷がつきにくくなります。
サンドペーパーで大まかな汚れを落とせたら、洗剤を使わずに水だけで汚れを除去できるメラミンスポンジを使って仕上げましょう。
別の方法として、焦げついた部分をさらに加熱し炭化させ、炭にしてから爪でとる方法もあります。
しかし、この方法だとチタンに焼き色がついてしまう可能性があるため、行う際は十分注意してください。
方法2 「黒ずみ」にはメラミンスポンジ
チタンカップの汚れで一番多いのは、黒ずみです。とくに、飲み口の部分や持ち手の部分は、油分がついて黒ずむことが多いです。
また、コーヒーやお茶を飲むと、チタンカップの内側に茶渋のような汚れが残ります。この汚れは中性洗剤を使っても落ちません。
このような黒ずみ汚れに関しては、メラミンスポンジを使いましょう。
水をかけながらメラミンスポンジでこすれば、かんたんにとれます。
メラミンスポンジは、洗剤を使わずに汚れを落とせるメリットがあるため、チタンとの相性が抜群です。
なお、メラミンスポンジを使うときは、水の入った桶を準備し、濡らしながら作業しましょう。
もしメラミンスポンジだけで黒ずみが落ちない場合は、2000番のサンドペーパーを濡らして軽く擦ってみてください。
また、冷水ではなく、お湯を使うと汚れが落ちやすくなります。
方法3 「油汚れ」は中性洗剤・アルコール
ちょっとした油汚れは中性洗剤で落ちます。
もし、中性洗剤がなければ、アルコールを使って拭き取ることも可能です。
液体のアルコール以外に、「アルコール除菌シート」を使うのもおすすめです。
アルコールはすぐに気化するため、水垢のような跡もつきにくいです。
食器スポンジでこすっても汚れは落ちますが、洗剤を落としきれていなかったり、しっかり拭き取れていなかったりすると、チタンが変色する可能性があります。
皮脂などの油分であれば、アルコールが含まれた除菌シートで落ちるので試してみてください。
口紅やハンドクリームなど油分が原因と思われる場合は、メイク落としで拭き取ってみてください。
方法4 「嫌な匂い」には重曹
チタンカップの見た目がきれいになっても、肉や魚などの臭いがとれないことがあります。そんなときは重曹につけ置きしましょう。
重曹は酸性の汚れに強く、消臭効果があるため、肉や魚の臭いが残っている場合も脱臭を期待できます。
40〜50度のお湯に重曹をまぜて、一日放置すると効果的です。
例えば、チタンカップをクッカー代わりに使ったあと、料理の臭いがとれない場合は重曹の出番です。短時間では消臭できないので、1日かかることは覚えておきましょう。
しっかり消臭すればビールやジュースなどの飲み物もおいしく飲めますよ。
チタンカップの手入れをするときの注意点
ここからはチタンカップを手入れするときの注意点を紹介します。
注意点1 ハイター・漂白剤は使わない
ハイターや漂白剤などの塩素系漂白剤は強いアルカリ性の成分が含まれているため、チタン酸化皮膜が反応し、変色してしまう可能性があります。
希釈すれば変色しないと考えるかもしれませんが、薄めても変色する可能性があるため注意してください。
注意点2 ダブルタイプは加熱しすぎない
チタンカップには「シングルタイプ」と「ダブルタイプ」の2種類あります。
ダブルタイプのチタンカップは二重構造になっているため、加熱で空気が膨張し変形しないように注意しましょう。
チタンカップ全体をメンテナンスするために、40〜50度のお湯につけ置きする程度なら問題ありません。しかし、グツグツ煮立っているお湯にいれると、空気が膨張し破裂することがあります。
煮沸消毒のように滅菌目的で熱湯を使用したいならダブルタイプは危険なので避けてください。
お手入れ後にチタンカップに焼き入れすると楽しい
チタンを火で炙って変色させるチタンブルーに興味があるなら、お手入れ後が絶好のタイミングです。
なぜなら、焼き入れの際に汚れが付着していると、鮮やかな青色にならず、黒くなってしまうからです。
チタンカップに焼き色を入れてカスタムするキャンパーは多くいます。
ぜひ、自分だけのチタンブルーを楽しんでみてください。
チタンカップは一生涯使えるキャンプギア
チタンカップはメンテナンス次第で一生涯使えるキャンプギアになります。
キャンプシーンでは、チタンブルーにカスタムしたチタンカップをキャンパー同士で見せあったりする機会もあります。
お手入れしたあとは焼き入れを入れて、自分だけのチタンカップを作ってみると、さらにキャンプが楽しめますよ。
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