秋は涼しくなり虫たちも少なくなるので、虫嫌いの人も快適にキャンプを楽しめると思いがちですが、油断は大敵です。
秋でもフィールドには危険な虫がまだまだたくさんいますので、虫対策をおこたってはいけません。
そこで今回は、以下のことについて解説します。
- 秋キャンプで注意すべき虫たち
- 秋の虫対策
- 虫にさされたときの対処法
秋キャンプを楽しく過ごすためにも、ぜひ最後までご覧ください。
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秋キャンプで要注意の虫たち
虫たちが活発に活動するのは一般的に夏ですが、そうした虫たちは秋になると活動をやめるわけではありません。
厄介な虫の代表格である蚊やブヨは、気温が20℃前後のときにもっとも活発になります。
近年の日本の夏は、人間だけでなく虫たちにとっても暑すぎて、むしろ少し気温が下がった秋のほうが活動しやすいのです。
ここでは、秋キャンプでも注意すべき虫たちについて、その代表的なものをご紹介します。
ヤブ蚊
一般的にヤブ蚊と呼ばれるのは「ヒトスジシマカ」と呼ばれる種類の蚊です。主に、朝方〜昼・夕方の時間帯に、人が出す炭酸ガスや温度などを感知して吸血します。
蚊に刺されると、吸血する際に抗凝血作用物質(血が凝固することを防ぐ物質)を含んだ唾液が注入されるため、そのアレルギー反応でカユミが生じます。
ひどいときには日本脳炎、デング熱などの感染症の媒介となる可能性も秘めており、「たかが蚊」とあなどることはできません。
ブヨ(ブユ)
キャンプ場に川があったらいる、と考えていいほど厄介なのがブヨ(ブユ)です。
活動時期は3~10月頃といわれ、夏には朝夕の涼しい時間に活動することが多いです。日中でも気温の下がる秋は、時間に関係なく活動するので注意が必要です。
ブヨはヤブ蚊と違い皮膚を「刺す」のではなく、かみちぎって吸血します。そのため、かまれた患部は赤く腫れ上がり、痛がゆく発熱などを伴う可能性もあります。
治るまで数週間以上かかる場合もあるため、ヤブ蚊よりはるかにやっかいな存在です。
スズメバチ
スズメバチの活動時期は8~10月です。とくに夏場よりも気温の下がる秋は繁殖のピークを迎えますので、十分に警戒しなければなりません。
新たに誕生する女王蜂を守ろうとして、巣の近くを通りがかっただけで攻撃してくるほど凶暴化して攻撃性が増します。
刺されると最悪の場合命に関わる可能性もあるので、秋キャンプでもっとも注意すべき危険な虫です。
その他
秋キャンプではヤブ蚊・ブヨ・スズメバチの他にも、注意したほうがいい虫がいます。
- チャドクガ:体毛の細かい毛針に刺されると皮膚炎を起こす。夏は幼虫が危険だが、秋は孵化した成虫に注意。
- マダニ:草むらや藪の中を歩いたり、森林系キャンプ場では木の上から降ってきたりして吸血する。
- ムカデ:夜になると餌を求めて活動をはじめ、かまれると毒による炎症と激しい痛みを伴う。
上記の虫たちも、刺されたり咬まれたりすると厄介なため、十分な注意を払いましょう。
秋キャンプの虫対策9選
秋キャンプを楽しく過ごすためにも、ヤブ蚊やブヨなどのやっかいな虫たちに刺されないための対策は必須です。
ここでは、秋キャンプでの虫よけ対策について解説します。
- 対策1 肌の露出を抑える服装にする
- 対策2 虫よけスプレーを使う
- 対策3 蚊取り線香を使う
- 対策4 虫よけトンボを飾る
- 対策5 スズメバチに遭遇しても刺激しない
- 対策6 食材を野ざらしにしない
- 対策7 夜はランタンの置き方に工夫する
- 対策8 香水や整髪料には注意する
- 対策9 救急セットを用意する
対策1 肌の露出を抑える服装にする
虫対策の基本は、できるかぎり肌を露出しないことです。
Tシャツに短パン、裸足にサンダルという夏の定番スタイルは、虫対策としてもっとも危険なファッションに入ります。
秋キャンプでは、下記のようなポイントをおさえましょう。
- 長袖と長ズボンを身に着ける
- 長めの靴下をしっかりと履く
上記に加えて、首周りにもタオルなどを巻くと、首周りもガードできます。
また、虫たちの多くは、濃い色に集まる習性を持っています。
黒色などの濃い色の着用はなるべく避けて、白っぽい色の服を選ぶと、虫の被害に合う確率を減らすことができます。
黒髪も虫を引き寄せやすいため、白系の帽子をかぶるのもおすすめです。
対策2 虫よけスプレーを使う
虫対策では、なるべく肌を露出しないのが基本です。しかし、秋口などの日中はまだまだ気温が高く、半袖で活動したいときあります。
そのような場合は、露出した肌の部分に「虫よけスプレー」を使用するのが効果的です。
虫よけスプレーを利用する場合は、蚊だけではなくブヨにも効果があるものを選ぶのがおすすめです。肌にふりかけるだけでなく、全体にまんべんなく手で伸ばしましょう。
また、汗をかくと薬剤効果が流れてしまうので、こまめにスプレーすることもポイントです。
対策3 蚊取り線香を使う
蚊取り線香を使用するのも、虫よけ対策としては有効です。
強力な効き目が欲しいときは、「森林香」と呼ばれる特殊な虫よけ線香を使うとよいでしょう。
テントサイトで使用する場合は、とくに刺されやすい足首周辺をカバーできるよう、地面から10~20cm程度のところに設置するのもポイントです。
また、サイトを囲うように2~3ヶ所に設置したり、1人につき1個を足元に設置したりすれば、より強い効果が期待できます。
対策4 虫よけトンボを飾る
小さなお子さんがいるファミリーキャンプなどで、虫よけに薬剤や熱源などを利用するのに抵抗がある場合は、オニヤンマを模した模型を飾ってみるのもよいかもしれません。
オニヤンマは蚊やブヨ、ハチなどを捕食する習性を持っている肉食トンボで、虫たちからすれば天敵です。
キャンプサイトにオニヤンマを模した「虫よけトンボ」を飾っておくことで、蚊などの虫たちが近寄りにくくなるといわれているため、虫よけ効果が期待できます。
対策5 スズメバチに遭遇しても刺激しない
秋キャンプでもっとも危険な虫が、スズメバチです。しかし、彼らはこちらが刺激しないかぎり、積極的におそってくることはありません。
必要以上に巣に近づくと、羽音を立ててアゴをカチカチと鳴らしながら警告してきたり、攻撃してきたりする可能性があります。
スズメバチの姿や巣をみつけたら、静かにその場を立ち去るのが一番です。
また、警告してきたスズメバチを追い払おうとして、手を振り回したり、咄嗟に向きを変えて走ったりする行為は、かえって彼らを刺激してしまいます。
万が一巣に近づいてしまった場合は、少しずつ後退しながら、20m以上離れるのが防衛策です。
なお、オオスズメバチと呼ばれる土の中に巣を作るタイプのスズメバチもいます。
木の根元やうろ、落ち葉の下など閉鎖された空間に彼らの巣がある可能性があるため、注意を払いましょう。
対策6 食材を野ざらしにしない
果物やジュースの甘い香りなどは虫を引き寄せます。
食材を袋やクーラーボックスなどに入れず野ざらしにしたり、食べかけの料理を置きっぱなしにしたりすると、虫たちを呼び寄せることになってしまいます。
飲み終わった空き缶やペットボトルも、袋などに入れてしっかり封をしておくのが得策です。
対策7 夜はランタンの置き方に工夫する
夜に活動する虫たちは、灯りに寄ってくる習性を持っています。
そのため、ランタンの置き方に工夫をすることによって、虫たちの被害を最小限に抑える事もできるのです。
まず、メインランタンとして光量の大きいランタン(LEDランタンやガソリンランタンなど)を、サイト全体を照らす明かりとして人のいる所から少し離れた場所にランタンポールなどでセットします。
次に、料理やくつろぎのために使うサブランタンは、メインランタンより光量の小さいランタン(オイルランタンなど、焚き火も含む)とすることにより、サブランタンに虫が寄ってくるのを防ぐのです。
対策8 香水や整髪料には注意する
虫たちは、甘い匂いに寄ってくる習性があります。
そのため、香水や整髪料などの甘い匂いに引かれてきます。キャンプのときは、香りの強い化粧品類は使用しないようにしましょう。
逆に「ハッカ油スプレー」のようなミントの香りを楽しむスプレーは、虫がキライな匂いのため虫よけ効果が期待できます。
対策9 救急セットを用意する
キャンプに行く場合は、念のため「ファーストエイドキット」などと呼ばれる救急セットと合わせ、保険証を用意しておくことをおすすめします。
救急セットには、次のアイテムをセットしておくと、ちょっとしたケガの時も対処できますよ。
- 抗ヒスタミン剤やステロイド外用薬
- ポイズンリムーバー
- 消毒液
- 頭痛薬
- 胃腸薬
- 下痢止め薬
- 絆創膏(防水タイプもあると◎)
- ガーゼ
- テーピングテープ
- とげ抜き
- 三角巾
セット販売されている市販のファーストエイドキットの場合、あまり使わないものまでセットになっていることがほとんどです。
ご自身のキャンプスタイルや人数に合わせて、独自にカスタマイズするのもおすすめです。
虫に刺されたときの2つの対処法
刺されないための虫除け対策を徹底しても、万が一虫に刺されたらどうすればよいのでしょうか。
この章では、虫に刺された場合の対処法などについてご紹介します。
対処法1 すぐに病院へ連絡
スズメバチなどの危険な虫だけでなく、ヤブ蚊やブヨなども処置が悪ければ長い期間苦しむ結果となる可能性も少なくありません。
腫れがひどい場合などは、病院で診断を受けることをおすすめします。
とくにスズメバチに刺された場合は、ヘタをすると命に関わる可能性もあります。すぐさま最寄りの病院に連絡するようにしましょう。
キャンプに行く場合には、最寄りの救急病院などを下調べしておくことも、「できるキャンパー」への道すじです。
対処法2 応急処置をほどこす
虫に刺されたときは、その場の応急処置を施すことで、後々の治療に効いてくることもあります。
怪我や病気に対する多少なりともの知識を学んでおき、かんたんな応急処置ができるように準備しておきましょう。
ここでは、代表的な秋の虫「蚊」「ブヨ」「スズメバチ」にしぼって、かんたんな応急処置についてご紹介します。
ただし、ここでご紹介するのはあくまで素人が行えるレベルの応急処置です。そのため、これだけで安心せず、しっかりと医師の診察を受けることを大前提としてください。
蚊・ブヨ
どれだけ患部がかゆくても、かきむしったりせずに流水で洗い流したり、保冷剤・氷・冷えた缶飲料などで冷やしたりすると、少しだけでもカユミがやわらぎます。
その後、ステロイド成分や抗ヒスタミン剤入りの外用薬を塗ります。
炎症がひどいときは、ステロイド外用薬を塗るのがよいでしょう。
スズメバチ
患部をきれいな水で洗い流します。
次に、「ポイズンリムーバー」を用いて表面の毒液を吸い出した後、抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗ってから、病院にかかるようにしてください。
毒液を吸い出すときは、毒を吸収してしまうので、口で吸わないように注意しましょう。
ハチに刺された場合、人によってはアナフィラキシーショックを引き起こす場合もあります。どれだけ軽症に見えたとしても、その後は病院にかかることは必須です。
秋でも虫対策は万全に!刺されない工夫&救急セットで秋キャンプを楽しもう
気温が下がり、過ごしやすくなった秋キャンプの安心をおびやかす、秋の虫対策について詳しくご紹介してまいりました。
とくに近年は、温暖化の影響か夏の気温が上がりすぎたため、むしろ秋のほうが虫の被害が大きい場合もあります。
「秋になったから虫が少ない」と盲目的に思い込みすぎず、しっかりと知識を学び、適切な予防と対処が行えるようにして、秋キャンプを楽しみましょう。