とんがり屋根のおしゃれなフォルムと、かんたんに設営できることから、人気の高いワンポールテント。三角形のため、ドーム型テントなどと比べるとどうしても居住空間が狭くなります。
「居住空間をさらに広げたい」「もっと広々と快適に過ごしたい」というときは、タープと組み合わせるのがおすすめです。
本記事では、小川張りでワンポールテントとタープを連結させる方法について写真つきで解説します。
についても紹介しますので、ぜひご覧ください。
なお、タープの種類や張り方、保管方法など、タープに関する情報は以下の記事にまとめています。ぜひ参考にご覧ください。
ワンポールテントとタープで小川張りにする9ステップ
ここからは実際に、「ワンポールテント」と「ヘキサタープ」を使って、小川張りにする手順を解説します。
今回は、アウトドアブランドWAQの、以下2商品を使用しています。
WAQのヘキサタープには、延長ベルトにも使える「ハンガーテープ」が付属しています。
セッティングテープを買い足す手間がかからず楽ちんです。小川張りをしないときは、ハンガーテープをタープ内に張ると、ランタンなどを引っ掛けることもできるなど重宝するアイテムです。
準備するもの
まずは、ヘキサタープを小川張りするために準備するものをご紹介します。
- ワンポールテント一式
- タープ本体
- タープ用ポール2本
- ガイロープ&ペグ(必要数)
- 小川張り用タープ延長ベルト(なければガイロープなどでも可)
それでは、ワンポールテントとヘキサタープを使って小川張りをする方法をみていきましょう。
ますは、ワンポールテントを設営しましょう。
ワンポールテントは、ペグを打ってからでないとポールを立てられません。そのため、先にテントの位置を決めて設営する必要があります。
設営場所には「サイトの端」を選んでください。
このとき、テントの後ろ側に「ポール1本」「固定するロープを張る」ためのスペースを、あらかじめ確保しておきましょう。
なお現時点では、四隅のペグを軽く固定しておくだけで大丈夫です。
次に、テント位置に合わせてタープを広げ、おおよその位置を決めます。
ポールをセットして位置を決めていきます。
ポールの位置が定まったら、ガイロープの位置を決めて、ペグで仮止めしておきましょう。
テント側にあたるタープに、延長ベルトを取り付けます。
なお、WAQのヘキサタープには、延長ベルトをワンタッチで取り付けられるアタッチメントがついています。
他社製のタープと別売り延長ベルトを利用する場合は、カラビナなどを利用するのがおすすめです。
ここで延長ベルトとポールを組み合わせ、詳細なポール位置を決めガイロープを固定します。
そのままテント後ろ側のポールを立ち上げ、ガイロープで固定します。
固定しすぎずロープの張りに少し余裕を持たせておくと、後の作業が楽になります。
次に、前側のポールを通常通り立ち上げます。
ヘキサタープの四隅をガイロープで固定して、全体のバランスを取ります。
テント側のタープの端は、なるべく地面に近付けた方が、出入りするときに天候の影響を受けにくくなります。
全体の形を整えたら、延長ベルトの張りを調整します。
タープとベルトのつなぎ目が、少し下がっているような状態がちょうどよい張りです。
なお、この撮影日は降水確率0%の晴天予報であったため、タープ下のスペースを広く取れるようタープとテントの間にすき間を開けて設置してあります。
雨天時は、テントの頭頂部がタープ下に入るように設置したほうが雨をしのぎやすくなるため、タープ位置を少し高めにしたほうがよいでしょう。
タープが完全に張れたら、四隅のみ軽くペグダウンしてあったテントを、しっかりと張ります。これで、ワンポールテント&ヘキサタープの小川張りは完成です!
ワンポールテントとタープを小川張りにするメリット・デメリット
小川張りは、タープ片側に専用の延長ベルトを取り付けて、タープ本体から離れた位置にポールを立て、その間のスペースにテントを設営します。
テントとタープを直接連結させずに、テント前に大きなリビングスペースを作り出せます。
小川張りにするメリット
小川張り最大のメリットは、テントとタープが「直接連結されない」ということです。もし風でタープが吹き飛ばされたとしても、テントへの影響は防げます。
一方で、直接連結させていると、タープが風であおられたときに、テント側のペグが抜けたり倒壊したりする恐れがあります。
また、直接連結の場合と違って、テントの位置をある程度微調整できるのもメリットの1つです。雨天時にテントを出入りするときでも、なるべく雨に濡れないように張ることもできます。
小川張りにするデメリット
小川張りのデメリットは、「テント裏側にもスペースを確保しなければいけない」ことです。
そのため、サイトの形状や面積、樹木の位置などによってはうまく張れないことも多々あります。
また、設営に多少の慣れが必要なのも、小川張りのデメリットといえるでしょう。
もし小川張りが難しそうなときは、「ワンポールテントに直接かぶせて連結させる方法」も試してみてください。ワンポールテントとタープを直接連結させる手順については、下記の記事でも詳しく解説しています。
ワンポールテントで小川張りをする際の3つの注意点
これまでの解説で、小川張りの一連の流れは掴めたでしょうか。
小川張りはドーム型などのテントで行われることが多く、ワンポールテントで行うには少しコツが必要です。
ここでは、ワンポールテントで小川張りをする際の3つの注意点についてご紹介します。
- 注意点1 後ろ側のポールは最大長で立てる
- 注意点2 テント頭頂部の位置は天候によって変える
- 注意点3 強風時は諦める
注意点1 後ろ側のポールは最大長で立てる
小川張りの基本的な形は、タープの下にテントを設営します。そのため、テントの背面にあたる後ろ側のポールはできるだけ最大長にして、高い位置からベルトを下ろす形にすると調整しやすくなります。
なお、前側のポールは利用方法やテントの高さに合わせて、高さを調整しても問題ありません。
大きなファミリー用ワンポールテントの場合は、小川張りでタープと組み合わせるのは難しいことも多いため注意してください。
注意点2 テント頭頂部の位置は天候によって変える
ワンポールテントの形状から、タープとの連結部分にはどうしてもすき間ができます。そのため、雨が降ったときは、テントを出入りするときに濡れてしまいます。
快適に過ごせるように、状況に応じて設営位置を変えるようにしましょう。
晴天時の場合
今回撮影した日は晴天でした。タープ下のリビングスペースを広くしてゆっくり過ごせるように、テントとタープの間に少しだけすき間をあけています。
晴天であれば、今回のようにタープから離れた位置にテントを張ることで、タープ下のスペースを最大限有効活用できます。
設営位置については、下記の図も参考にしてください。
雨天時の場合
雨天時は、テント頭頂部がタープ下にくるように設置すると、出入り時に濡れてしまうのを防げます。
しかし、テントの半分をタープ内に引き込む形となるため、タープ下の空間は狭くなります。
サイドフラップ付きのワンポールテントの場合
前室が作れるワンポールテントの場合には、下記の図のように、タープの端にフラップ部分がかかるように設営するのがおすすめです。リビングスペース空間が広く取れますよ。
フラップ先端部をタープポール(前側)にロープで固定することで、雨を避けながらリビングスペースも確保できますよ。
なお、WAQソロ用ティピテント「Alpha T/C」には、便利なサイドフラップがついています。
フラップの跳ね上げは、3パターンにアンレジできるため、自分の好みの形や状況合わせて設営できますよ。
ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
注意点3 強風時は諦める
テントとタープを分けて設営する小川張りは、直結させる連結方法に比べると、風による影響をおさえることができます。
しかし、それでもタープやテントを単体で設営する張り方と比べれば、不安定な張り方になってしまうことはいなめません。
そもそも、タープが風に弱いという大前提は変わりません。強風時はタープの使用そのものを諦めるという判断をすることも大切です。
ワンポールテントとタープの小川張りでおしゃれで快適なサイトを作ろう!
ワンポールテントとタープで小川張りをする際は、先にテントを立ててから設営しなければいけません。テントの後ろ側にはタープポールとロープを張るためのスペースを確保することを忘れないようにしてください。
また、テントとヘキサタープの間にはどうしてもすき間ができてしまうため、天候に合わせてテント位置を変えるのもポイントです。ぜひとも小川張りの張り方を覚えて、楽しいキャンプをお過ごしください。
下記の記事では、タープの基本的な張り方を写真付きで紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。