屋根代わりとなり開放感のあるタープ。周囲に他のキャンパーがいると、視線が気になることも多いのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが、「陣幕」と組み合わせるスタイルです。とはいえ、「実際にどのくらい視線をさえぎられるのかな」と気になりませんか?
そこで本記事では、「タープと陣幕の組み合わせで、どのくらい視線を遮ることができるのか?」を試してみました。
今回は、プライベート空間を確保しにくいタープ泊を想定して、実証しています。陣幕でさえぎられる高さは同じなので、「テント+タープ+陣幕」を組み合わせるときの参考にもなると思います。
キャンプで周囲の視線が気になる方はぜひ参考にしてください。
なお、タープの種類や張り方、保管方法など、タープに関する情報は以下の記事にまとめています。ぜひ参考にご覧ください。
陣幕の効果とは
キャンプで使う陣幕とは、「風よけやプライベート空間を確保するために立てる幕」のことです。
タープと陣幕を組み合わせることで、他キャンパーからの視線をさえぎりプライベート空間を確保できます。
また、風よけにもなるため、焚き火にも集中できます。
寒さが厳しくなる冬場は、陣幕を使って焚き火の熱を逃げにくくすることで、暖房効率を上げる効果も期待できます。
なお、陣幕の必要性や効果については、下記の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
タープと陣幕の組み合わせ効果を実証
タープと陣幕の組み合わせでは、どのくらいのプライベート空間を確保できるのでしょうか。
今回は、タープ泊を想定して、以下2つの設営方法にわけて実験してみました。
- 正面にポールを2本立てるスタイル
- 正面にポールを1本立てるスタイル
なお、今回の撮影にはWAQのヘキサタープ「HEXATARP TC (Mサイズ)」と「焚き火陣幕TC」を利用しています。
HEXATARP TC (Mサイズ) | 焚き火陣幕 |
サイズ:340cm×330cm | サイズ:310cm×100~105cm |
重量:6.7kg(ポール含む) | 重量:7.6kg(ポール等付属品含む) |
それでは、実証実験の詳細を紹介します!
ヘキサタープポール2本+陣幕
まず、ポールを2本にした状態でタープを設営しました。
この設営方法だとポールとロープの干渉が少ないため、よりタープに近い位置で陣幕を張ることができます。
全景
ポール2本張り+陣幕のスタイルでは、次のように設営しています。
- 正面に2本ポールを立てる
- ガイロープを3本張る
- 後ろ2カ所はペグダウンする
- タープ正面に陣幕を立てる
※ちなみにタープの設営方法は、「ガイロープを正面に2本」「後ろ4カ所をペグダウン」という形でもOKです。
ポールを2本立てることで、陣幕の位置も正面からサイドにずらして設営しました。
ポール1本のときと比べると、タープと陣幕の距離を近づけられるため、両サイドからの視線もあまり気になりません。
プライベート空間の体感
タープ下からの視界はこのような感じです。
動ける範囲は多少狭くなってしまいますが、周囲の視線もほとんど気にすることなく、のんびりとキャンプが楽しめそうです。
今回使用したWAQのタープと陣幕ともにTC素材ですので、タープ下で焚き火も思う存分楽しむことができました。
陣幕と歩行者間の距離:3mでの見え方
サイトから約3m離れた位置で、身長175cmの撮影者から見える様子はこのような感じです。
ハイバックチェアの背もたれが若干みえているため、中に人がいれば視線があう可能性があります。
陣幕と歩行者間の距離:5mでの見え方
歩行者との距離が5mほどあれば、タープ内の居住空間はほぼ隠れます。
開口箇所も少なくなりますので、プライベート空間は確保できているといえるのではないでしょうか。
陣幕と歩行者間の距離:7mでの見え方
歩行者から約7m離れた位置からの見え方がこちらです。
サイドのスキマから後方のテント内をのぞくことはできそうですが、タープの張り方や寝床の設置向きによっては、ほぼ気にならない程度にセットすることはできるでしょう。
周辺キャンパーからの見え方
周辺キャンパーの着座位置(地面から約1m)からの見え方は下のとおりです。
タープの張り方によって違いはありますが、正面からの視線はほとんど気になりませんでした。
六角形のヘキサタープの場合は、陣幕と組み合わせたとしても全方向からの視線を完全にさえぎることは難しいといわざるを得ません。
しかし、正面からの視線はある程度さえぎることができます。キャンプ中に「他のキャンパーが視界に入って気が散る」といったことは避けられるでしょう。
ヘキサタープ1本張り+陣幕
続いては、正面にポールを1本立てて、後方はペグダウンしたスタイルです。このスタイルに陣幕をプラスして実証します!
全景
ポール1本張り+陣幕のスタイルでは、下記のように設営してみました。
- 正面に1本ポールを立てる
- ガイロープを4本張る
- 後ろ3カ所はペグダウンする
- ポール前に陣幕を立てる
タープと陣幕(焚き火位置)の距離は、2mほど距離を取っています。
完成形がこちら。
それでは、陣幕内側のプライベートスペースや、歩行者からどのように見えるかなどについて紹介します。
プライベート空間の体感
陣幕前に陣取った様子は、下の写真のような感じです。
ミドルタイプのチェアに座り焚き火を楽しむことで、プライベート空間を確保できます。
チェアに座った状態からの視線は、このような感じです。
タープと陣幕の距離が離れている分、サイドからは丸見えとなってしまいます。
とはいえ、真正面からの視線はさえぎることができるため、焚き火にも集中できそうです。
陣幕と歩行者間の距離:1〜3mでの見え方
撮影者の身長=175cmで、1〜3mほど離れた位置からの見え方は、下の写真のとおりです。
ミドルタイプのチェアに座った状態で、顔が見える状態です。1~3mほど離れた場所を他のキャンパーが歩いた場合には、互いに視線があってしまうこともあるでしょう。
とはいえ、多少目隠しはできるため、丸見え状態は避けられそうですね。
陣幕と歩行者間の距離:5mでの見え方
続いて、陣幕&歩行者間の距離=5mでの見え方がこちらです。
座った状態であれば、正面から視線はさえぎれます。ただし、寝床に関してはのぞき込もうとすれば見えてしまう状態です。
陣幕と歩行者間の距離:10mでの見え方
10mほど離れた位置からだと、タープ下の様子はほぼ見えません。
周辺キャンパーからの見え方
着座を想定した条件(陣幕との距離=約3m・地面からの高さ=約1m)で撮影してみました。
サイト同士が隣接していたとしても、互いに着座状態では視線があうこともほとんどないでしょう。
陣幕を活用してプライベート感のあるキャンプを楽しもう
陣幕とタープを組み合わせると、周囲からの視線をシャットアウトできます。とくにロースタイルキャンプとの相性は抜群です。
自分の目から他のキャンパーの姿が目に入らないということも、のんびりと落ち着いてキャンプを楽しむためには重要です。タープと陣幕の組み合わせは、風と視線をさえぎり、焚き火に集中するための設営方法といってもよいでしょう。
なお、ヘキサタープでタープ泊する際のアレンジ張りは、下記の記事で詳しく解説しています。写真付きでさまざまなアレンジ張りを紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。