日差しや雨を防ぎ、キャンプに快適なリビング空間を作りだしてくれるのがタープです。
とはいえ、頭上に1枚の布を張っているだけのタープでは、夏場などは太陽の移動によって、「せっかく作った日陰がなくなってしまいまぶしくて仕方ない」なんてことも起こってしまいがちです。
そこでこの記事では、タープの向きと日陰の関係を徹底的に考え、もっとも効率的なタープを張る向きについて解説します。
日陰を効率よく生み出せる張り方のアレンジも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、アウトドアブランドのWAQでは、熱や水に強いTC素材のヘキサタープを販売しています。
ソロキャンプにおすすめなMサイズ、ファミリーやグループキャンプにおすすめなLサイズの2サイズ展開です。ぜひこの機会に公式ストアをご覧ください。
タープの向きと日陰の関係
タープの向きと日陰の関係を考えるうえで欠かせないのが「タープの構造」と「太陽の位置」です。
そこでまずは、この2点についてしっかりと考えることからはじめましょう。
タープは頭上からの日差しを遮る
タープとは、1枚の布を数本のロープで固定して、何もない空間に「屋根」を作りだすキャンプ道具です。
タープを張ることでテント以外の居住空間を広く確保できます。
また、多少の日差しや雨を防げるので、より快適なキャンプサイトが手に入ります。
ただし、タープはその構造上あくまでも「屋根」を作りだすだけで、基本的にはテントのように壁面はありません。
そのため、時間とともに日差しの方向が変わってしまえば「さっきまでは快適な日陰を作れていたのに、気がついたら炎天下にさらされていた」という結果になってしまうのです。
時間とともに変わる太陽の位置
太陽はご存知のように、朝に東から昇って真上を通り、夕方には西に沈んでいきます。
地域や地形によって日の出や日の入りの時間は変わるものの、この原則は古今東西変わりません。
時間とともに変わる太陽の位置に対してタープの位置を移動させていけば、理論上はずっと日差しを避け続けられます。とはいえ、この方法は効率的ではありません。
太陽の動きにあわせて効率的に対応するには、以下2点を押さえるのがポイントです。
- タープの向きの決め方
- 張り方のアレンジ
次の章からは、上記2点を踏まえたうえで、効率的な日陰の作り方を写真付きで解説します。
【写真で解説】日陰を作るタープの張り方
ここからは、日陰を作るタープの張り方を、以下の時間帯に分けて説明します。
- 朝方~午前中
- 日中
- 夕方
- 夜間
キャンプ場で実際に設営している写真と図解を用いて解説するので、ぜひ参考にしてください。
なお、今回の撮影ではWAQの「HEXATARP TC(Lサイズ)」を使用しています。
最大長470×480cmのヘキサタープで、長さ240cmのメインポールと200cmのサブポールがそれぞれ2本ずつ付属しています。多彩な張り方のアレンジができるのが大きな魅力です。
ご興味のある方は、ぜひこの機会に公式ストアでチェックしてみてください。
タープの基本的な向きを押さえる
まずは、タープの基本的な向きを押さえましょう。
日差しを遮るタープの張り方の基本は、タープのセンターラインがちょうど南北にくるように設置し、向きを固定します。
太陽が東から西に移動するにつれて、日が差す方向も変化します。
メインポールの位置を南北に固定することで、太陽の動きに合わせてタープ自体を動かさなくても、サイドのサブポールやロープを調整するだけで、日差しの動きに対応できるようになります。
キャンプ場で正確な南北の位置がわからない場合は、「Google Maps」や「方位磁石アプリ」などを活用しましょう。
スマートフォン向けに、航空写真の地図がついているものや太陽の方向がわかる便利な無料方位磁石アプリも提供されています。
- Commander Compass Go(iPhoneのみ):3Dコンパスやジャイロコンパスで、方角や位置を正確に把握できます
- コンパスSimplyWerx(Androidのみ):コンパスのみが表示されるため、シンプルで見やすいです
朝方~午前中
太陽の日差しが強くなる夏場は紫外線量が増えることもあり、朝方の日差しでもうかうかしていられません。
朝方の日差しを避けて日陰を作るためには、東側サイドを少し下げるのがポイントです。
下の画像では、4本のポールを立てて居住空間を広めに確保していたところを、東側のポールだけ外しています。
東側サイドを下げることで、十分な日差し対策ができました。
日中
日中は天頂から日差しが照りつけます。夏場などは、涼める場所となる日陰がないと快適に過ごせません。
また、季節にもよりますが、日中10時〜14時といった時間帯は紫外線量がピークを迎えます。そのため、日中の日差し対策は非常に重要です。
この時間帯の日差しは、まさに天頂からふりそそぐ形となるため、サブポールも利用してできるだけ広くタープを展開します。
可能な限り日陰を大きく取るようにしてください。
夕方
夕方になると太陽は西に移動します。
日差しの量こそ少なくなるものの、夏場などはまだまだ暑いです。紫外線による影響を考えると、日差しを避けたいと思うことも多いのではないでしょうか。また、冬場は太陽の位置が低くなるため、目を開けていられないほどまぶしいといった状態になりがちです。
夕方は、タープの西側のサイドを大きく下げ、日差しを遮るようにしましょう。
いわゆる「陣幕」のようなスタイルですが、西側にあたるサイドを直接地面に固定することで、西日を完全にシャットアウトできます。
この張り方は、西側から吹く風に対する防壁にもなりますが、強風時はタープがあおられやすい形になります。
しっかりとペグで固定されていないと、あっという間にペグが抜けて倒れてしまう可能性もありますので、十分に注意してください。
なお、強風でも抜けにくい正しいペグの打ち方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
夜間
夜間になると日差し対策は必要なくなるものの、プライベートを少しでも確保する張り方に変更したいところです。
プライベートを確保するためには、両サイドをできるだけ低い位置に固定し、スペースを小さく抑えましょう。
周囲からの視線を遮るのと同時に、夜間の急な雨などで荷物が濡れてしまうのも防げます。
日陰対策におすすめなタープの特徴
日陰対策には、日よけに最適なタープの種類を選ぶのもポイントです。
日差し対策に優れていて、十分な日陰を作りだすことのできるタープには、以下のような条件が挙げられます。
- UV加工や遮光加工されている
- TC素材が使われている
それでは、それぞれの条件を詳しく解説します。
UV加工や遮光加工されている
まず1つ目には、タープの生地にUV加工や遮光加工が施されているタープが挙げられます。
UV加工・遮光加工されているタープは、加工が施されていないタープと比べると日陰を作りだす力が強く、とくに夏場のキャンプなどでは大きな効果を発揮してくれます。
TC素材が使われている
生地自体に特殊な加工が施されていなくとも、TC素材などのタープは、生地自体が高い遮光性を備えています。
TC素材とは、ポリエステルとコットンを混紡して織り込まれた繊維のことをいい、遮光性と通気性を兼ね備えた素材として、テントやタープにはよく利用される繊維です。
今回の撮影で利用したWAQの「HEXATARP TC(Lサイズ)」も、このTC素材で作られています。火の粉に強いという特性も含めて、キャンプでは強い味方となってくれます。
また、十分な日陰を作りながらできるだけ快適な居住空間を広く確保したい場合には、サブポールがあるとなおよいでしょう。
このときのサブポールは、自由に長さを変えられる伸縮自在のものであったほうが、より自由度の高い向きの調整ができます。
タープの向きを考えてキャンプサイトに日陰を作ろう
タープの向きを考える際は、「南北にセンターラインをあわせる」という基本を忘れなければ、あとは少々の調整だけで対応可能です。
無料のスマートフォンアプリなどをうまく活用して、「テントを張ろうとしているサイトのどこが南北にあたるのか」をしっかりと見極めることは、効率的な日陰を作るためだけでなく、キャンプ場の中で景色のよいサイトを選び出す場合にも有効です。
水場やトイレの位置、景色のうつくしさだけでなく、これからは日差しをさける太陽の向きまで考え合わせてサイトを選べるようになれば、キャンプ上級者に一歩足を踏み入れたといえるでしょう。