焚き火やBBQは、キャンプでのメインイベントといえる楽しいアクティビティです。
しかし、焚き火の臭いやBBQのニオイがテントに移ってしまい、ニオイが気になって眠れなくなったり、テンションが下がってしまったりすることがあります。
その他、カビの臭いがテントについてしまい、悩まされることも少なくありません。
そこで今回は、以下について解説します。
テントについた不快な臭いに悩んでいる方は、ぜひ参考にご覧ください。
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テントにつく3つの臭い
テントにつく代表的な臭いには、主に次の3つがあげられます。
- 焚き火の煙の臭い
- BBQなどの油の臭い
- カビの臭いや生乾き臭
まずは、これらの臭いが発生する原因を解説します。
焚き火の煙の臭い
燻されたような焚き火の臭いは、キャンプで気になる臭いの代表格です。
焚き火のときに燃えているのは、薪そのものではなく薪から出る可燃性ガスです。この可燃性ガスに引火することで炎が発生し、一部の燃え残ったガスが白い煙となって立ち上り、その煙にあたることで燻されたような臭いがテントにつきます。
煙の量を減らすためには、水分含有量の少ない完全に乾いた薪を使い、不完全燃焼を避けることが大切です。
なお、乾いた薪か水分を含んだ薪かは、「薪の入手方法」「薪の保管方法」によって変わります。薪の調達方法や取り扱い方などは、下の記事で詳しく解説しています。
BBQなどの油の臭い
焚き火の煙よりも厄介なのが、BBQなどで発生する煙の臭いです。炭を使用したBBQの煙は、そのほとんどが油が焼けることによって発生します。
肉から出る脂が炭火に直接ついてしまったり、使いこんだ鉄板についた古い油が燃えたりすることで、煙とともに独特の油臭を発します。
カビの臭いや生乾き臭
煙や油の臭いとともに、キャンパーを悩ませるのが、テントについたカビの臭いや生乾き臭です。
こうした嫌な臭いがテントから立ち上る原因は、多くの場合、前回のキャンプ撤収時に完全にテントを乾かさずにたたんでしまい放置してしまったことにあります。
湿ったままのテントをそのままたたむと、雑菌が発生して嫌な生乾き臭を発生させたり、ひどいときはカビが生えてしまったりする恐れもあります。
なおテントのカビ臭さを防ぐためには、次のことを徹底するのが大切です。
- 撤収時には完全に乾かしてからテントをしまう
- 帰宅してからなるべく早くテントを乾かす
下の記事では、テントの正しい保管方法について解説しています。ぜひこちらも参考にご覧ください。
テントについた焚き火の臭いを取る7つの方法
臭いがついてほしくないと思っても、どうしてもテントに焚き火の臭いがついてしまうこともあるでしょう。
そこでここでは、テントについた焚き火の臭いを取る7つの方法をご紹介します。
方法1 風をあてる
テントに煙の臭いが残るのは、テントの布地の微細な糸の隙間に、煙の臭い分子が潜り込むことによって起こります。つまり、その臭い分子を風によって飛ばしてやれば、臭いが残りにくくなります。
風がある程度強いときであれば、そのままにしておいてもあまり臭いが残りません。夏場であれば扇風機やサーキュレーターの風をあてるのもよいでしょう。
とくに熱風をあてれば、もっと効率的に臭いを飛ばすことができます。帰宅したあとであれば、ドライヤーの温風をあてるのもおすすめです。
方法2 浴室乾燥機にかける
自宅のお風呂に乾燥機がついているならば、それを活用するのもおすすめです。
乾燥機をつけた状態で、扇風機やサーキュレーターなどの風をあて続けると、臭い分子が飛びやすくなり、臭い消しに効果があります。
乾燥機がない場合は、扇風機などで風をあて、換気扇を回しておくだけでも効果はありますので、ぜひ試してみてください。
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方法3 蒸気をあてる
風をあてても落ちない場合、蒸気をあてるのもおすすめです。テントに蒸気を浴びせて臭い分子を蒸気に移し、そのあとしっかりと乾かすことで、臭いを除去します。
キャンプ場で応急的におこなうのであれば、テントの中でガスコンロなどでお湯を沸かし、蒸気をあてるのもよいです。ただし、おこなう際は一酸化炭素中毒や火災に十分ご注意ください。
また、帰宅したあとなら風呂場にお湯を張り、湯船の蓋をせずにテントを干すのもおすすめです。
その他だと、アイロンや衣類スチーマーなどで蒸気をあてるのもよい方法です。
ある程度テント全体がしっとりするぐらいまで蒸気をあて、しばらくしたあとしっかりと乾かすことで、たいていの臭いは取ることができるでしょう。
方法4 重曹と一緒に袋に入れる
テントについた臭いを少しでも残さないためには、できるかぎり早く対処するのが一番です。そんなときにおすすめなのが、粉末状の重曹です。
- 大きめのごみ袋の中に重曹を入れる
- 重曹を入れた袋の中に、大ざっぱにたたんだテントを入れる
- 密閉して1~2時間放置する
こうすることで、煙の臭いを取り除けます。
また、重曹を水に溶かしてスプレーボトルに入れておき、寝る前にテントの中へスプレーするのもおすすめです。
方法5 洗濯する
上記で紹介した方法で臭いが取れない場合は、臭いをもとから落とすために、思い切ってテント自体を洗濯してしまいましょう。これであれば、焚き火の煙の臭いだけでなく、BBQのしつこい油の臭いも取れます。
テントを洗濯する場合は、風呂桶にぬるま湯を張り、オキシクリーンなどの酸素系漂白剤を使うのがおすすめです。
テントがようやく浸かるくらいのぬるま湯に、しみ抜きに使用する目安量の酸素系漂白剤を溶かし、1~2時間テントを浸けておきます。そのあとはしっかりとすすぎ、天日干しすればOKです。
塩素系の漂白剤は強すぎて、テントの布地を傷めてしまう可能性がありますので、絶対に使用しないでください。
なお、酸素系漂白剤を使用する場合も、テントの洗濯表示はしっかりと確認しておきましょう。
下の記事では、テントの洗い方の手順について、詳しく解説しています。ぜひこちらもあわせてご覧ください。
さらにこちらの記事では、マンション・アパートなどの集合住宅に住んでいる方向けに、テントの干し方を紹介しています。テントを干す場所に悩むときは、こちらもご覧ください。
方法6 食器用洗剤に浸ける
焚き火の煙の臭いであれば、酸素系漂白剤を使用すれば大抵の場合は落とすことができます。しかし、油と混じったBBQなどの臭いは、しつこく残ってしまうかもしれません。
そんなときは、油汚れに効く食器用の中性洗剤を薄めたぬるま湯に、30分ほど浸けておくのもよいです。
食器用の漂白剤は塩素系のため、生地を傷める可能性があります。絶対に使用しないでください。
なお、食器用洗剤は流水などでなければなかなか落ちません。酸素系漂白剤を使用するときよりも、しっかりとすすぐことを意識してください。
方法7 専用の消臭スプレーを使う
テントが洗濯に適していなかったり、物理的な事情で丸洗いが難しい場合は、消臭スプレーを試してみてください。
ただし、煙や油などのしつこい臭いは、一般的な衣類用の消臭スプレーでは、ほとんど役に立ちません。
そんなときは煙や油の臭いにきく、アウトドアメーカーなどが出している焚き火の臭い専用の消臭スプレーを使うようにしましょう。風や蒸気で臭いを飛ばしてから使うと、さらに効果が上がります。
テントについたカビの臭いを取る3つの方法
キャンプの撤収時にしっかりとテントを干し、自宅でもメンテンナンスを欠かさないことが、テントにカビや生乾き臭をつけない一番の対処法です。
とはいっても、うっかりメンテナンスをサボってしまい、カビや生乾き臭を発生させてしまうこともあるかもしれません。
そこで、ここでは大切なテントがカビてしまったときの対処法についてご紹介します。
方法1 陰干しする
軽い臭い程度であれば、陰干しすればOKです。
毛先のやわらかいブラシがある場合は、全体をブラッシングして、地面に触れないようにして干しておきましょう。
適当な場所がない場合は、車のボディにテントをかぶせるのがおすすめです。
方法2 汚れとカビを取る
しつこいカビであれば、カビ用除去スプレーを使うのもよいでしょう。
まずはテント全体の汚れを落とし、カビが生えた部分にカビ落としのスプレーをします。
そのあとは薬剤を水で流して、しっかりと乾かしてください。
カビ落としのスプレーがない場合は、中性洗剤を薄めた洗浄液を浸した雑巾を固く絞り、カビの生えている部分を拭き取るのもおすすめです。
方法3 テントを洗う
拭いた程度で落ちないようなら、最終手段として丸洗いするのがおすすめです。自宅でテントを洗う場合は、先に紹介した「テントの洗い方」の記事を参考にしてください。
とはいえ、焚き火の臭いを落とすときより、カビが生えたテントを選択するのは少々手間がかかります。自分では手に負えないカビがついてしまった場合、テントクリーニングの専門業者を利用するのもおすすめです。
また大型のコットン製2ルームテントなどは、サイズと重量的な問題でも自宅で洗うのは難しいものです。専門技術を持っている専門業者に任せたほうが、テントを長持ちさせるという意味でもよいでしょう。
参考:「テントがカビ臭い!」キャンプ場での対処方法
「キャンプ場でいざテントを立てたら、カビが生えていて嫌な臭いがする!」という場合、残念ながらキャンプ場でカビを完全に落とすことは難しいです。
しかし、
- カビが生えている箇所が特定できている
- 軽いカビが生えている
なら、その部分を固く絞った濡れ雑巾でこすり落とすことで対処できます。
そのあとはテントの入り口など開けられる部分をすべて開けて風が通るようにします。このとき裏表どちらもしっかりと風にあてるようにしてください。
テントを立てた状態で表側を干したあと、テントを裏返して内側も干すようにすれば完璧です。
テントに焚き火やカビの臭いをつけないコツ
ここでは、テントに焚き火やカビの臭いをつけないコツをご紹介します。それでは一つずつみていきましょう。
コツ1 設営のレイアウトを工夫する
焚き火の臭いをつけないためには、煙がテントにかからないようにすることが一番です。そのためには、風向きを考えて設営時のレイアウトを工夫し、焚き火の風上にテントを張るようにするのがよいです。
ただし、キャンプでは天候が急に変わることも多いので、必ずしも意図したとおりの設営ができるとはかぎりません。
そんなときは、陣幕などを利用して、焚き火の煙がテントに直接あたらないようにするのがおすすめです。
陣幕の効果については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
また、以下のようなことにも気をつけましょう。
- 雨が降っていてもテントのひさしの下で焚き火をしない
- 焚き火をしている間は入り口のファスナーをしっかりと閉める
コツ2 煙の少ない焚き火をする
焚き火が大量の煙を出すのは、先述したように薪の不完全燃焼が原因です。
つまり、焚き火の臭いをテントに移さないためには、煙自体の発生量を抑えるようにすればよいのです。
次のことに気をつければ、煙の少ない焚き火ができます。
- よく乾かした薪を使う
- 針葉樹の薪よりも広葉樹の薪のほうが煙は少ない
- 二次燃焼構造の焚き火台を使い薪をガスを完全に燃やし尽くす
- BBQでも安い木炭より、備長炭などのほうが煙が出にくい
コツ3 臭いのついた服などを持ち込まない
テントに煙や油の臭いを移さないためには、焚き火の臭いがついた服をテント内に持ち込まないことも大切です。
例えば、次のことを意識すれば、臭いが気になって眠れないということも少なくなるでしょう。
- 焚き火のときは帽子をかぶっておき、髪の毛に臭いがつかないようにする
- 焚き火の際に着ていたアウターは脱いでテントに入る
- 服を着替えてから寝袋に入るようにする
コツ4 帰りの運搬時間を活用する
先述したとおり、大きな袋の中に重曹とテントを入れて、1~2時間ほど放置すれば、だいたいの臭いは除去できます。これを利用して、帰りの運搬時に臭いを取り去ってしまうのもおすすめです。
例えば、密閉できるコンテナボックスに行きには薪を入れておき、空になった帰りにはその中に重曹とともにテントを入れておきます。こうすることで、帰りの移動時間を利用して、効率よく臭いを取ることができます。
徒歩キャンプの場合は、もとのテント用収納ケースではなく、重曹入りビニール袋に入れて、しっかりと密閉しておけば問題ありません。
また、重曹の代わりに、衣類用の活性炭の脱臭剤を使うのもおすすめです。
コツ5 テントに防水加工する
テントに施された防水や撥水の効果が落ちると、生地に水分が染み込みやすくなり、カビが発生しやすくなります。
一度雨に降られたテントや、丸洗いをしたあとのテントはだんだんと防水・撥水効果が落ちてしまいます。市販のテント用防水スプレー・撥水スプレーを使って、加工をし直すとよいです。
スプレーをするときは、しっかりと乾かしたテントを張って、全体に吹きかけます。こうすることで、ある程度の防水効果が回復します。
防水スプレーで表面をコーティングすることは、煙などの臭いをつきにくくする効果もありますので、一石二鳥です。
ただし、購入したてのときのような防水効果は期待できません。一度加工の落ちてしまったテントは、それまでよりもマメなメンテナンスが必要になることを頭にいれておきましょう。
テントの臭い取りは、まずは臭いがつかない工夫をしよう
キャンプで気になる代表的な臭いは以下の3つです。
- 焚き火の煙の臭い
- BBQなどの油の臭い
- テントなどのカビの臭いや生乾き臭
今回紹介した臭いの取り方を参考にして、テントの臭い取りにチャレンジしてみてください。
しかし、まずは「臭いがつかない工夫」をすることがなによりも重要です。
せっかくのキャンプを残念な思い出にしないためにも、大切なテントを長く愛用し続けるためにも、こまめにメンテナンスをおこない、ストレスのない楽しいキャンプにでかけましょう。