テントやタープの正しい保管場所&保管方法|物置に保管するときの注意点も解説

テントやタープの正しい保管場所&保管方法|物置に保管するときの注意点も解説

テントやタープの保管、正しくできていますか?

テントやタープなどの布製品は、保管場所や保管方法を間違うと、高温や湿気の影響を受けて劣化してしまい使い物にならなくなる可能性も……。ギアを長持ちさせるためにも、正しい保管方法を守りましょう。

今回は、以下について解説します。

  • テントやタープを保管するときのポイント
  • 最適な保管場所
  • 保管時の注意点

その他、気をつけておきたい「加水分解」についても解説しています。ぜひ参考にしてください。

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テントの保管・メンテナンスを誤ると起こるトラブル

保管やメンテナンス方法を間違えてしまうと、テントやタープの生地を傷めてしまい、劣化を早めることになります。「劣化を早める=寿命を縮める」ことにつながるので、くれぐれも注意しなければなりません。

保管・メンテナンス方法を間違ってしまうと起こりうるトラブルは、以下のとおりです。

  • 素材によっては加水分解が起こりベタ付く
  • カビが発生する
  • ニオイが発生する

それでは各項目について詳しくご紹介します。

素材によっては加水分解が起こりベタ付く

加水分解したポリウレタン生地

テントやタープを保管する条件によっては、表面に施されていた防水加工が劣化する「加水分解」という現象が起こります。水と化学物質が反応して分解を起こし、素材の表面がベタついてしまいます。

加水分解しやすい代表的な素材は「ポリウレタン」です。

残念ながらこの加水分解は自然現象のため避けられません。しかし、正しい保管・メンテナンス方法で劣化を遅らせることはできます。

とくに高湿度の環境下で保管していると進行しやすいので、以下の3点を守るようにしましょう。

  • 高温化しやすい場所は避ける
  • 湿気がたまりやすい場所は避ける
  • 収納する前はしっかり乾燥させる

「どうしても湿気の多い場所にしか保管できない」という場合は、小型の除湿機を導入する手もありますよ。

空気清浄機

カビが発生する

保管やメンテナンス方法を誤ると、カビが発生する恐れがあります。

実際に「長期間保管していたテントを出したらカビていた」というケースは珍しくありません。

また、カビの菌糸によって生地が傷んでしまうため、コーティングも剥がれやすくなります。生地自体も変色したり強度も落ちてしまったりするため、テントやタープの寿命も縮めてしまいます。

一度カビが発生してしまうと取り除くのは大変です。カビを発生させないように、この後に紹介する対策をしっかりしておきましょう。

ニオイが発生する

テントやタープを収納するときに乾燥が不十分だと、ニオイが発生することもあります。

カビくさいニオイや、倉庫で嗅ぐようなほこりっぽいニオイのほか、加水分解が進んだときも不快なニオイが出ることもあります。

ニオイの発生を防ぐためにも、収納前はしっかり乾燥させて、高温・高湿度の場所への保管は避けましょう。

保管するときのポイント3つ

テントを畳む男性

テントやタープを保管するときのポイントは次の3つです。

  • ポイント1 汚れを落とす
  • ポイント2 撤収前と帰宅後はしっかり乾燥させる
  • ポイント3 高温多湿を避けて保管する

それでは、それぞれのポイントについて解説していきます。

ポイント1 汚れを落とす

テントの汚れを拭き取るイメージ

テントやタープについた汚れが残ったままだと、ニオイやカビの元となります。

キャンプでは泥・食べ物のカスや油汚れ・ジュースなどの飲みこぼしなど、いろんな汚れが付着します。これらの汚れがついているときは、早めの段階でキレイに落としておきましょう。

帰宅後の後片付けで楽ができるように、テントやタープを撤収するタイミングで軽く落としておくのがおすすめです。

テント内に落ちた食べカスや、入り込んだ砂・草などの小さなゴミを掃除するときは、コロコロやハンディ掃除機を使うと便利です。

https://twitter.com/yasurc42/statuses/891471092950327296

帰宅後は、撤収時に落とせなかったスカート部分など、隅々の汚れもしっかり落とすことも忘れずに。

なお、海の近くにあるキャンプ場の場合、潮風の影響で劣化を早める可能性もあります。

海のキャンプ場

目にみえる汚れがついていなくても、全体を水で濡らした雑巾などで拭いてから撤収するようにしましょう。

ポイント2 撤収前と帰宅後はしっかり乾燥させる

テントを乾燥させるイメージ

テントやタープを使い終わったあとは、必ずしっかりと乾かしましょう

テントをしっかり乾かさなければいけない理由は次の2つです。

  • テント内部の生地が劣化しやすくなり、カビも発生しやすくなる
  • テント外側に施されている防水性など、大事な機能が著しく低下してしまう

寝室やリビングの役割となるはずの大切な機能が低下し、最悪の場合は使い物にならなくなる可能性もあります。大切なテントやタープを長持ちさせるためにも、使い終わったあとは必ず乾燥させましょう。

TC(ポリコットン)素材・コットン素材は、しっかりと乾燥させる

天然素材のコットンを使用しているTC素材やコットン素材のテントは、水分を吸収しやすい特徴があります。水分を取り込みやすいということは、カビやすいということ。

ポリエステル素材などのテントと比べると、生地も分厚く乾きにくいため、しっかりと乾燥させることが大切です。

https://twitter.com/touhucafe/statuses/785637169276739584

前述したように、一度カビが生えてしまうと、カビ臭いニオイがついたり色素沈着したりとすることもあるため、しっかりと乾燥させましょう。

下の記事では、マンションなどの集合住宅でテントを干すときの具体的な方法を紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。

テント内に入り込んだ虫にも注意

自然の中で過ごすキャンプでは、虫との遭遇はつきもの。ムカデなど人に害を与える虫をはじめ、標高の高い山や水辺、雪の上などに生息しているトビムシなどが、テントの中に入り込むこともあります。

テントの底部分

虫の侵入に気づかないまま収納してしまい、次回テントを使うときに虫の死骸と遭遇する、という可能性もゼロではありません。

乾燥させるときは、虫がいないかもチェックしておきましょう。

ポイント3 高温多湿を避けて保管する

数あるキャンプ用品の中でも、テントやタープはとくに湿気に弱く、保管方法を間違えるとカビの発生や虫食いにあう可能性もあります。

風通しのいいガレージなどで保管できるとベストですが、そうでない方は自宅の押入れに乾燥剤と共に収納するのがおすすめです。

生地を傷める可能性があるため乾燥剤以外の防カビ剤などは使用しないように注意しましょう。

太陽から受ける紫外線もキャンプ用品の大敵です。湿気だけではなく直射日光が当たらないかもチェックしましょう!

テントとタープの保管場所に最適なのは室内!

室内のクローゼット

ジメジメしやすい日本において、湿気に弱いテントやタープなどの保管は、湿度や温度の管理がしやすい室内がおすすめです。

それでは次に、室内保管のおすすめの収納方法をご紹介します。

衣装ケース・収納ボックス・コンテナをうまく活用して

衣装ケースにいれたキャンプギア
出典元:kabawoのそとあそび

室内の収納スペースが限られている場合は、衣装ケースや収納ボックス、コンテナなどを活用した保管がおすすめ。

  • 衣装ケースに入れて、ベッドやソファの下に置く
  • コンテナボックスに入れて部屋の隅やクローゼットの中に重ねておく

といったように、家具・クローゼットなどの隙間やタテ空間をうまく活用しましょう。

湿度計
出典元:kabawoのそとあそび

中に湿気がたまるのが心配な場合は、収納するケースやボックス内に湿度計も一緒にいれておき、定期的に湿度をチェックしておくと安心です。

テント保管の湿気対策に|乾燥剤や除湿剤も一緒に入れる

乾燥剤

湿度管理がしやすい室内でも、梅雨の季節など雨が続くときは湿気が心配ですよね。そのようなときは、テントやタープを保管している場所に乾燥剤や除湿剤をセットしておくと、ある程度湿気を取り除けます。

衣装ケースや収納ボックスなど、フタを締め切った状態で保管するときは、乾燥剤や除湿剤も中にいれておきましょう。

納戸・クローゼット・押入れの中で保管するときは、除湿機も追加して環境整備を強化しておくとさらに安心できるはず。

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屋外の物置や倉庫への保管は「高温多湿」に注意!

高温と多湿に注意

家の中には保管できる場所がないという場合は、屋外の物置・倉庫・ガレージに保管する方法もあります。しかし、屋外保管は気温や湿度などの影響をとても受けやすいというデメリットもあります。

湿気に弱いテントやタープを屋外に保管する際は、高温多湿により注意しなければいけません。

  • 定期的に広げて風を通し、中にたまった湿気を逃がす
  • 傷んでいる箇所やカビが生えている箇所がないかチェックする

など、メンテナンスを怠らないようにするのが大切です。

車に保管もありだが、燃費が悪くなる可能性もある

どうしても保管する場所がないという場合は、車のトランクに載せたまま保管するというスタイルもありです。常に載せておくことで、災害発生時などの万が一のときに役立つこともゼロではありません。

しかし、テントやタープを載せている分、車の重量は重くなるため、燃費効率が悪くなる可能性もあります。

また、屋外保管のときと同様、外環境の影響を受けやすいため、高温多湿にも注意しましょう。

ポール・ペグ・ガイロープもメンテナンスする

テントやタープ本体だけでなく、設営に使う小物類のお手入れも大切です。

こちらでは、次の2つをご紹介します。

  • ポール・ガイロープのお手入れ方法
  • ペグのお手入れ方法

ポール・ガイロープのお手入れ方法

付着している水分は、乾いた布などできれいに拭き取ります。砂や泥汚れがある場合は、濡らした布などで落とします。その後、風通しの良いところで、しっかり乾燥させておきましょう。

水分や泥汚れなどが残ったまま保管するとサビなどの原因になるため、しっかりと汚れを落として乾かすのがポイントです。

ペグとポールを拭く

ポールの中に泥などが入ってしまった場合は、軽くトントンと叩いて取り出しおきます。

長期間使用しないオフシーズン中は、ジョイント部分などにサビ止めや潤滑スプレーを吹き付けておきましょう。しっかりメンテナンスすることで、次シーズンも安心して使用できます。

ペグのお手入れ方法

土や泥などの汚れがつきやすいペグは、水洗いで汚れを落としておきましょう。

洗ったあとは、乾いた布で乾拭きして、風通しのいい場所でしっかり乾燥させるのもポイントです。

ペグとペグハンマー

とくに鍛造ペグは水に濡れたまま放置していると、内部にまでサビてしまい強度が下がる可能性もあるため、注意してください。

なおペグのお手入れについては、下の記事でもくわしく解説しています。写真付きで、定期的なメンテナンス方法を紹介しているのでぜひ参考にしてください。

まとめ

テントやタープを長持ちさせるコツは、高温や湿度、加水分解から守ることです。

  • しっかり汚れを落として、乾燥させる
  • 外気温の影響が少ない「室内管理」がおすすめ
  • 室内でも湿度管理を行う
  • やむを得ず屋外の物置や倉庫に保管するときは、温度・湿度管理・定期的なメンテナンスをする

ポールやペグなどの小物類も忘れずにメンテナンスすることで、次シーズンのキャンプもスムーズに行えますよ。

しっかりとしたメンテナンス・保管方法を確認して楽しいアウトドアライフを送りましょう。

なお、テントやタープの汚れやニオイが気になる方は、保管前に思い切って洗ってみるのもおすすめです。下の記事では、テントの洗い方をご紹介しています。「一度洗ってみようかな」と考えている方は、ぜひご覧ください!

次シーズンに向けてテントの買い替えも検討中の方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

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